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ハンドドリップコーヒーを楽しむ

私がまだ学生の頃、ある日突然母がコーヒーメーカーを
買ってきた。

母は、コーヒーが大好きだった。
それまでは、赤いラベルやゴールドのラベルやらの
インスタントコーヒーをとっかえひっかえ買って、楽しんでいた。

どこで誰に勧められたかは聞いていないのだが、
きっと電気屋さんと話しているうちに、コーヒーメーカーを
買うことになったのでは、と想像する。
ナショナルの「キャリオカ」だった。
まだ覚えている。
なかなかおもしろいデザインで、今でいう、ポタポタと
お湯を落としながらドリップができる、という謳い文句
だったように思う。

コーヒー豆は、母は「キリマンジャロ」だった。
当時の私にはキリマンジャロのおいしさはわからなかったが、
私もこの「キャリオカ」のおかげで、ドリップコーヒーが
おいしくて、大のコーヒー好きになった。

結婚するときに、コーヒーメーカーを買おうかと思ったが、
夫はさほどコーヒーが好きではない。
一人分淹れるのに、コーヒーメーカーは当時の家には邪魔
だったので、二人用のドリッパーとサーバーで、ほぼ一人で
楽しんでいた。

ただ、ドリップコーヒーを飲んでいただけだった。
豆にもこだわらず、好きなように淹れて飲んでいた。

ある日、スターバックスコーヒーが近くにできた。
「コーヒーなんて家で淹れられるし、高そうだし」と思って
いたのだが、子どもと行くことになり、コーヒーを注文。

「え?コーヒーってこんなおいしいの?私が飲んでたのは、何?」
とにかく美味しすぎた。

挽きたての豆で淹れるコーヒーを楽しみたい。
それにはコーヒーミルが必要だ。どこのブランドがいい?
SNSで調べ、HARIOを買う。
サブスクでコーヒー豆を買ったり、スタバの豆や、
いろんなお店のコーヒー豆を試した。
今思うと、母のインスタントコーヒー探しと同じだ。

そんなとき、いつも見ているYoutuberが、
「ヒロコーヒー」が一番口に合うのよ、と言った。
どこにある?それ?ネットのみ、なの?
おや、このあたりで買えるじゃないか。

それ以来、私のドリップコーヒー生活は、ヒロコーヒーと、
子どもから誕生日プレゼントでもらったコーヒーポットと、
お気に入りのコーヒーカップとドリッパーで、
毎朝、この時間だけはゆっくり過ごす。

学生時代から飲んでいたコーヒーは、おいしいドリップコーヒーと
なって、ようやく形作られた。

明日の朝は、どのコーヒーカップにしようか?
早起きの秘訣でもある。





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