<活動レポート>しめ縄作りワークショップに参加しました(2019.12)
みなさまこんにちは。お米を主食に!プロジェクト公式ノートです。本日も活動レポートをお届けします。(お米を主食に!プロジェクトの内容を知りたい方は、まずは下の記事からご覧ください)
遡ること、2019年12月22日。この日は、本プロジェクトを実施している奈良の別所町にて、しめ縄・しめ飾り作りのワークショップに参加させていただきました!プロジェクトの実施初期から参画いただきお世話になっている農家さんや地域の方々と共に、人生初のしめ縄作りに挑戦しました。
お正月に年神様を迎える際、神聖な場所に整えるために飾るしめ縄。
正月飾りとして門松や破魔矢と一緒に飾られるしめ縄・しめ飾りですが、どのような意味が込められているか、ご存知でしょうか?
そもそも正月行事というのは、年神様という新年の神様をお迎えするためのもの。年神様は家々にやってきて、生きる力や幸せを授けてくださると考えられています。神様を迎えて祭る場所は、神聖な場所に整える必要があるため、神の領域と現世を分け隔てる結界として、不純なものが入るのを防ぐのが、しめ縄・しめ飾りの役目です。
しめ縄の由来は、古事記に書かれた天照大神の神話にあり、その昔岩戸にこもった天照大神を神々が連れ出した際「もう岩戸に入らないように」と岩戸にしめ縄をつけたことに起源があるそうです。このエピソードから、しめ縄は、神の領域を守る印として使用されるようになりました。
しめ縄で囲まれた場所は神域であり、神様をまつるのにふさわしい神聖な場所であることを示します。お正月は自宅に年神様がやってくるので、しめ縄を玄関先に飾り、清らかな空間を作るというわけです。
農業は、天災や気候によって、収穫量が大きく左右されます。そのため、人々は古くから、神事を大切にし、神様に豊作をお願いしてきました。このお正月の行事も、農家にとって大切なものであったことが伺えます。
衣食住。人々の生活を広く支えてきた、藁。
しめ縄・しめ飾りは、稲を根元から刈り取って乾燥させ、穂を取った「藁(わら)」から作りますが、稲作の国日本では、毎年の収穫後大量の藁が残ることになり、その藁を使って様々な生活用品が作られてきたことをご存知でしょうか。
燃料や飼料、畜舎の敷きわらにも使われますし、屋根葺きや土壁、わら縄、かご、鍋敷き、円座、畳床、縄袋、わら細工の馬などの飾り物など、人々の生活に寄り添うものへも再利用されています。
様々な形で使われたわらの加工品は、傷むと補修されながら使われ、最後には燃料として燃やされたり、田畑の肥料に活用されたりして土に還りました。それが、また新しい稲を育む元となります。日本人は稲を上手に利用し使い尽くす、無駄のない生活をしてきたことが分かります。これぞ、農家の方々の"智恵"ですね。
現代でもまた、大人から子供へ受け継がれる智恵や伝統。
古くから伝わる智恵や伝統に想いを馳せながら、初めての綯うという作業に四苦八苦・・・作り方をご指導いただいた師匠のように簡単にはできませんでしたが、大人から子供まで参加するこのワークショップで、地域の伝統が次の世代へと受け継がれていく瞬間に立ち会わせていただきました。
制作したしめ縄がこちら。なかなか難しかったのですが、初の手作りしめ縄に大満足。大切に飾りたいと思います。
しめ縄作りに熱中していると・・・氷雨だった雨が夜半には雪に変わり銀世界へ。奈良県別所町の集落へ、間もなく本格的な冬がやってきます。
プロジェクト初年度も終盤を迎えました。お米の生産に携わっていると、栽培方法からこのような古い智恵、伝統工芸まで、知らなかったことが沢山あり、勉強になることばかりです。
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本プロジェクトは、賛同する企業の数が増えており、次年度から作付面積を増やし、規模を拡大する予定です。お米の生産過程は、社員研修やチームビルディング、社員の家族を交えた稲作体験の機会として活用することも可能です。企業の新しい社会的活動として、興味のある企業様はお気軽にご連絡ください。