症例紹介#7【腰のダルさと脚の痺れ】
患者と主訴・生活状況
患者:60代女性
主訴:慢性的な腰のダルさと脚の痺れ
状況:パートタイマーとして事務職を長年続けてきた。仕事内容はパソコン作業で、一日の大半を座って過ごす。運動習慣はなく、自身でも「一日にどれくらい歩いているか測ったら、800歩くらいだった。ほとんど動いていない」とのことであった。
数ヶ月前から腰がダルく股関節に何か詰まったような感じがする。
ひどい時は脚の先に痺れたような感じまでする。
とのことであった。
脈所見
やや細く跳ねるような感じ
舌所見
(舌を見せるのは恥ずかしいとのことで省いた)
身体所見
細身で長身。
背面の皮膚全体は緩んでいるが、腰部から臀部にかけて強く張っている。
ハムストリングスは硬く、針金のような触知感になっていた。
治療内容
腰部への挿鍼は、しっかりと按揉(あんじゅう、もむこと)してからでないと痛みを感じやすい。
痺れ感があるということは神経の亢進が考えられるので、痛みを与える施術は御法度である。
按揉の後、下記の場所に挿鍼した。
その他、阿是穴にも数本挿鍼した。
※阿是穴とは、正式なツボとしての名称はないものの、患者の感じる「あぁ、そこそこ」となる場所のこと。
挿鍼後すぐに、
「つま先まで響く感じがする」
と鍼特有の「得気」を訴えた。
※「得気」とは、鍼が筋肉の疲労している部分にピンポイントで当たった時に生じる重だるい感覚のこと。
得気があるのでしばらく鍼をそのまま置いておき、ハムストリングス、ふくらはぎの阿是穴に数箇所挿鍼した。
治療結果
施術後、「軽い!股関節の詰まり感がなくなりました」と上々の結果を得ることができた。
患者は私の前職時の後輩の母親だったので、施術前から緊張していたので安心した。
このように、腰の違和感や不調は股関節が原因であることが多く、股関節の不調の結果、腰に痛みが出ていると言えることが多々ある。
養生法
上記イラストの部位に灸を施すと良い。
火を使うことに抵抗がある場合は、火を使わない灸を活用したい。
上記場所に加えて下記部位にも施すと、脚の不調や冷え対策にもなる。
この他、股関節ストレッチを行い、臀部の筋肉をしっかりと伸ばしてやることで脚方向への痺れ感は軽減する。
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