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【簡単あらすじ】ノッキンオン・ロックドドア(微ネタバレ)【青崎有吾/徳間文庫】
『 俺が不可能専門、御殿場倒理 』
『 僕が不可解専門、片無氷雨 』
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玄関口に、インターフォンやチャイム等が無い、時代錯誤ともいえる探偵事務所「ノッキンオン・ロックドドア」には、
トリックの解明に強い「不可能専門、御殿場倒理」と、
動機や理由を探るのが強い「不可解専門、片無氷雨」
の二人の探偵が所属している。
得意分野が被らない二人は、相棒でもありライバルでもある関係性である。
そんな事務所には、また今日も様々な事件が持ち込まれる。
―
『はじめに』
突然強烈な寒波が押し寄せ、一気に冬になりましたが、「寒くて外出したくない」ということは、逆に言うと「室内での読書が捗る時期になった」とも言えますので、私だけでなく読書好きとしては良い面も多い時期ではないでしょうか。
衝動買い時期が中々終了せず、積読状態になりつつありますので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んだりした本の感想を書こうと思います。
この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。
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トリックの解明に強い「不可能専門」
動機や理由を探るのが強い「不可解専門」
の二人の専門探偵が所属する「ノッキンオン・ロックドドア」に持ち込まれた事件に対する短編集です。
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1.ノッキンオン・ロックドドア
画家・霞蛾英夫は、背中をナイフで刺され自宅アトリエで殺されていた。
アトリエは密室状態だっただけでなく、現場では何故か「六枚の風景画が額縁から出され床に散らばって」おり、さらにそのうちの一枚は「真っ赤に塗りつぶされて」いた。
2.髪の短くなった死体
劇団「キクラゲ」のリーダー・善田ミカが殺された。
そして犯人は、死体の髪をバッサリと切り・現場から持ち去っていた。
3.ダイヤルWを廻せ!
「金庫を開けてほしいんです」
ある日曜日、長野崎仁志という青年から、探偵事務所にはまるで相応しくない依頼が持ち込まれる。
4.チープ・トリック
二人の元同級生・穿地警部から電話がかかってきた。
言われた現場に向かうと、不可能で不可解な殺人事件が発生していた。
そしてその事件には「御影」という人物が関わっているという。
5.いわゆる一つの雪密室
50m四方のだだっ広い広場の中心に、まるで胎児のような格好で死体がある。
致命傷は胸に刺さった包丁だが、現場の周りには30㎝を超える積雪があり、まるで雪密室と言われる状況だった。
6.十円玉が少なすぎる
事務所でのある日の夕食。
アルバイト・薬師寺薬子が話題にしたのは、朝の登校中にすれ違った男から聞こえた「十円玉が少なすぎる。あと五枚は必要だ」というセリフだった。
このセリフを基に、御殿場と片無は様々な推理合戦を繰り広げる。
7.限りなく確実な毒殺
穿地警部が事務所で二人の探偵に見せたVTRは、政治家・外様寛三のパーティー内容だった。
外様はそのパーティー中に毒殺されるのだが、どのようにして毒を飲ませたのか全く想像がつかない。
そしてこの事件も、裏で「御影」が糸を引いていた…
―
上記7編の短編集ですが、各事件について様々な「不可能」と「不可解」が存在しているため、全て新鮮に一気読み出来ました。
個人的には、ダイヤルWを廻せ!が好きです。
金庫を開けるという、探偵事務所ではなく錠前屋への依頼が正解のような事件でしたが、最後はきっちりと推理で解決するという流れが良かったです。
地雷グリコもそうでしたが、青崎有吾さんの作品は、一作がページの短い短編集だとしても、それによって満足感が減ることは全くありません。
次作も楽しみです!
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