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【簡単あらすじ】5分間リアル脱出ゲームMystery(微ネタバレ)【SCRAP出版】

主人公・朝日マコトは、豪華客船ミステール号のデッキで心地よい潮風を浴びていた。

「マコト」

出航して一時間ほど経っただろうか、聞きなれた声に振り向くと、自称名探偵・蒼月清史郎が階段を上がってくるところだった。

マコトのおじさんでもある清史郎は、ある一枚の紙をマコトに見せる。

「船長を誘拐した。誰かが探し出さなければこの船は進まない」

全参加者の自室に差し込まれた不穏な文章と封筒の中身を確認していると、「みなさま、客室の封筒は確認されたでしょうか?それでは最初のミステリークルーズチャレンジ『船長誘拐事件からの脱出』スタートです!」という、船内アナウンスが流れた…



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『はじめに』
酷かった花粉の飛散もようやく収まり、窓を開けると爽やかな風を感じ・ポカポカ陽気で何となく幸せも感じるという、絶好の読書シチュエーションを得られる時期が到来しました。ですので、最近読んで印象に残ったり、買ったまま積んでいたりした本の感想を書こうと思います。
この感想で、その作品や著者に少しでも興味を持って頂ける内容にしたと思いながら書いていますが、登場人物やぼんやりしたあらすじなど、『微ネタバレ要素』を含む記載がありますので、その点にご注意ください。

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本作品は全10章構成で、1章ごとに数個の小さな謎を解き、その謎の結果が各章の答えとなる、という形で進んでいきます。

そして、題名にもあるように、一つの謎は「5分間」を目安に解くことが出来るようになっていますし、もし謎解きにつまったとしても、巻末に「直接的な答え」だけでなく「段階的なヒント」もありますので、テンポ良く物語が展開します。

正直なところ、細かい謎の答えや考え方について何問か納得しづらいものがありましたし、作品中に多くの謎があるので、問題に急かされている感覚があり、その結果一問一問にかける時間や熱量が少なくなってしまう場面もありました。

ですので、私の個人的意見としては、以前クリアしレビューした、DETECTIVEX CASEFILE#1

のほうが好みです。

ですが、本作品は、最終的な謎解きの最中や一度クリアしてからもう一度読み直してみると、完成度の高さに驚きました。

読み直してみると、細かい文章や図・絵・数字だけでなく、作品の最初の「はじめに」にもヒントが隠されているところなど、完全に出題者にしてやられてしまった感じがあり、清々しい読了感を感じました。

また、ヒントを利用する場合には、「〇〇の場合には、◇◇を読め」という形で様々なページをめくるのですが、(私の年代の方なら分かるかもしれませんが、)その作業がゲームブックを思い出し、懐かしさを感じるという良さもありました笑

上記のような楽しみもあり、細かいところの問題点は感じましたが、全体的な満足度はかなり高かったです。

私のような地方在住者や、普段の生活時間に余裕がないため、全国各地で開催されているリアル脱出ゲームに参加出来ない方に、大変おススメの作品です。



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P206 - 人財教育/人事労務コンサルタント -
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