こんなん本屋大賞やろ。辻村深月「この夏の星を見る」を読んで
辻村深月の新刊がすごかった!
めちゃくちゃよかった!
もうこれは本屋大賞決まったわ。
昨夜25:30まで夜更かしして読み切ってまだ興奮さめません。
まず設定が秀逸。
著者は毎日新聞のインタビューで「この世代を書くにはコロナに触れない選択肢はなかった」と語っています。
そのとおりやと思う。みんないろんなことあったよね。
その中でこんなストーリーが現実でもあったんだろうなーと思うと胸が切なくなる。
辻村深月といえば作品クロスオーバー。
今回もありました!
今回は「家族シアター」の「1992年の秋空」から。
気づいたときは震えました!
前読んだときに、ちょーどこの作品のタイトルだけメモってたんです!
めっちゃ好きなテイストでした。
調べてみたら「家族シアター」の刊行は2014年。
ほんでいまは2023年。
え。えぐないっ!?
9年かけて伏線回収しにくる!?
「あぁあの時の!」ってなった時の脳波、凄いことになってたと思う。
現実世界で「あっ進研ゼミででたとこだ!」が起きてる。
この感覚がほんとに大好き!
2014年にはコロナなんて想像もできなかったし感慨深い。
そしてまたいつか、別の物語で円華や真宙に会える気がする。
いや。ずっと読んでたら絶対に会える。
辻村深月に沼る理由。
脱線。
中高生時代にもこの感覚を味わったことがあって。
週刊少年マガジンで「あひるの空」というバスケ漫画が連載されてて、毎週水曜日楽しみにして読んでました。
まわりでも結構人気。女バスの子たちと「あひる読んだ~?」って話すんのも楽しかったな。
連載が始まってから数年。単行本にすると22巻。
いつものようにマガジンの「あひるの空」のページを開けるとなんとそこには、自分の街の景色が!!
毎週読んでる漫画にいきなり知ってる景色。
「トビ」というめっちゃかっこいいキャラクターの地元として、自分の街が登場してました。
知らないままでかなりの期間読み進めたうえでの衝撃。
「実はそうだったの!?」という展開。
学校でもちょっとだけ話題になりました。
でも、読んでる人には相当衝撃的なことが起きてるのに、読んでない人には伝わらない。平常運転。
そんな温度差も含めて好き。
不思議でワクワクした思い出。
話を戻そ。
「この小説も、中高生のときに読めたらよかったのに」とも思いました。
いやー、刺さった。
おおいに刺さりました。
「おいしいごはんが食べられますように」でも感じたことやけど、最後のはとくに。
文学とか体育とか、好きな事もやりたい事もあったのに。
うまいことやれそうな選択をした自分を恥じました。
こんな小説を学生時代によんでたら人生の選択は変わったろうな。
まーでも、こっからこっから。
32歳。最近は「どんな選択をしても、結局‘好き‘に回帰する」ような気がしてます。
「逃げても逃げても逃げきれないものが人生にはある」はず。
好きへの情熱は捨てず。気負わず。生きてこ。
ただ、コロナの見方に関しては自戒。
ついコロナ禍で学生時代を過ごした若者を可哀そうに思ってしまいますが、それは安直だった。
それはわかる。気を付けよう。
凄い良い本でした。
興奮しすぎてまとまってないけど、まぁいいでしょう!
最近忙しくて書く時間無いけど、思わず書かずにはいられませんでした。
ありがとう、辻村深月。
以上