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青山美智子「月の立つ林で」を読んで

今回もよかったよー。

なぜだろう、「赤と青とエスキース」もそうだったけど、青山美智子さんの作品を読む前、そして読んでる最中、斜に構えてしまう。

読まず嫌いみたいなの発動されてまう。

ほんまにおもろいんか?
なんか流行ってるけど、俺にはそう簡単にハマらへんぞ。と。

でも読んでる間にドンドン引き込まれる。
読む手がとまらなくなる。
ハマる。
それはもう、いとも簡単に。

降参です。
ほんまにごめんなさい。

次の作品から、素直に楽しみます。



長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家――。

つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの想いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく――。

最後に仕掛けられた驚きの事実と
読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ、
心震える傑作小説。
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いちばん心に残った言葉。

人のために役に立ちたいと、ずっとそう思ってきたけれど、「人」とはいったい誰のことなんだろう。
青山美智子「月の立つ林で」

序盤。だいぶ序盤。6ページめくらい。

長年働いた看護師の仕事を辞めた玲花の言葉です。

うーん、そう思ったことあるなー。

「人の役に立ちたい」とまで崇高な思いを抱いてるわけではないけど!


果たして、この仕事、誰かの役に立ってる!?
誰かの為になってる!?
喜んでくれとる人おるん!?



なんて思っちゃう仕事ってありますよねー。
仕事ってほど一括りでなくても、日頃の業務の中にひとつはあるじゃないですか。

複雑な社会やもんなー、仕方ない。

とはいえ、一考の価値ありやと思う。

看護師なんて、明らかに役に立ってそうな職業の人が思っちゃう位やもん。

タイムリーに、しゃべくり007であっちゃんが言ってた「ワイプ」の件!

ブルシットジョブ。


とは言え!

今回の作品では、普段僕らが見えてない、繋がりの先にいる「誰か」が描かれてます。

もう希望の光。

仕事で荒んだ心が温まります。


いちばん好きなエピソードは、バイク整備士のお父さんの話です。

人はくっついたり離れたりして、その時その時で一番心地いい距離感で生きてる。

月と地球のように。


月に興味が湧きました!

月は最大のエンタメ。

テレビとか映画もない時代、毎日姿を変える月は本当にエンタメだったんだろうなー。

月見よ。

ちなみに直近の満月は3/7(火)、新月は3/22(水)だそうですよ。


出てくる登場人物みんないいやつで、ほんと心が癒されました。

暖かい物語。

楽しく読めました。

ありがとう!

以上

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