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山本泰弘
2022年4月24日 00:18
このご時世、テレビの旅番組は遠方への観光気分を味わわせてくれるありがたい存在だ。中でも、各地のローカル線をたどる鉄道の旅番組をよく見る。 ある時取り上げられた北海道の小さな駅は、かつて駅員の配置がなくなり無人になろうとしたとき、それを寂しく思った近所の人が駅舎に喫茶店を開いて今に至るという。 ふと身近な駅を思えば、私がお世話になってきた東根駅も、昔は駅員のいる駅で、事務室が備えられた造り
2019年1月19日 15:00
〔※著者註:2016年執筆〕 山形県初の中高一貫校として期待を集める東桜学館。輝かしいイメージの裏で、入学予定の児童とその保護者らの間には懸念が生じているようだ。入学説明会において、昭和の管理教育を想起させる厳格な方針が打ち出されたというのだ。児童からの独自の部活を作りたいという希望も拒まれたと聞く。 確かに政策決定者の立場からすれば、万策尽くしてこぎ着けた開校であるからには高い学力と規律を
2019年1月5日 13:19
街の市民ホールや公民館などでは、しばしば学校部活動や市民サークルによる各種のコンサートが開かれている。吹奏楽、管弦楽、ピアノ……私はよく足を運ぶのだが、気になるのは空席の多さだ。アマチュアとして上々の演奏で、入場料は無料かたいへんお手頃なのにもかかわらず客席にたいへん余裕があるのは、もったいない気持ちになる。 さて、昨今の世の中では「文化的資本」というキーワードが認識されるようになった。この