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読物語 ヨミモノガタリ

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読み物を紹介・布教する文章です。
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記事一覧

【#読物語:本】「スウィンダラーハウス」(作:根本聡一郎)

 この頃世間にはやるもの。夜討ち、強盗、偽求人――。  「闇バイト×特殊詐欺×社会問題」…

山本泰弘
1か月前
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【開催案内】2025年2月11日(火祝)「やまがたビブリオバトル【奥羽「本」戦】」@山形…

4人のプレゼンターがそれぞれの「推し」の本をプレゼンする「やまがたビブリオバトル」、第2回…

山本泰弘
2か月前
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【報告】第1回やまがたビブリオバトル【📚奥羽「本」戦🚃】@山形県立図書館 2024年8…

ビブリオバトルとは 報告  8/12(月祝)に、「第1回やまがたビブリオ バトル【📚奥羽「本」…

山本泰弘
3か月前
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【#読物語:マンガ】「天地明察」(原作:冲方丁、画:槇えびし)

「冬の夜にしみる『天地明察』」(2024-01-11 山形新聞)  テレビの時代劇と同じように、昔…

山本泰弘
4か月前
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【#読物語:マンガ】「ばらかもん」(作:ヨシノサツキ)

 主人公は、東京で書道界のエリートコースを歩んでいた青年書道家・半田清舟(せいしゅう)。 …

山本泰弘
6か月前
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【#読物語:マンガ】「黒執事」サーカス編(作:枢やな)

 一世を風靡する芸能集団の背後にささやかれる非道の疑惑を暴くため潜入調査、やがて集団の総…

山本泰弘
9か月前

【#読物語:本】柳澤寿男『戦場のタクト』

「平和の音色、全ての人に」  年末の音楽といえば、ベートーヴェン「第九・歓喜の歌」。フランス革命後の時代に、階級を超えて全ての人々が同胞となる世を願って作られたといわれる。  クラシック音楽は、豊かな国の、富める人たちが、立派な楽器と会場で奏でるものだろうか。それはNOだ。私たちのそんなイメージとはかけ離れた現場に流れ着き、奇跡のようなコンサートを生んだ日本人指揮者がいる。その体験記が、『戦場のタクト』(柳澤寿男・著)だ。  時は2006年からの数年間。舞台は、バルカン

【#読物語:本】五十嵐立青『あなたのまちの政治は案外、あなたの力でも変えられる』

「あなたが政治を変えられる」(2022-06-16 山形新聞)  地域の政治を、住民・生活者目線、…

山本泰弘
2年前

【#読物語:本】中村逸郎『ロシアを決して信じるな』

 筑波大学の名物教授の著書。いかにも国際政治の本っぽいけど、中身はほぼ、沢木耕太郎を彷彿…

山本泰弘
3年前

【#読物語:本】野林健・納家政嗣 編『聞き書 緒方貞子回顧録』

「現場主義」と「現実主義」の生涯  昨年10月、“5フィート(約150cm)の巨人”がこの世を去…

山本泰弘
3年前
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【#読物語:マンガ】「夜は短し歩けよ乙女」(原作:森見登美彦、画:琴音らんまる)

「病を癒す物語を読もう」(2020-12-02 山形新聞)  むかしむかし、「潤肺露」(ジュンパイ…

山本泰弘
4年前
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【#読物語:本】梶井基次郎『檸檬』(乙女の本棚)

「現代の絵師が描く『檸檬』」(2020-07-11 山形新聞)  1925(大正14)年に書かれた短編小説…

山本泰弘
4年前
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【#読物語:本】『オペレーションZ』(作:真山仁)

 『オペレーションZ』という小説がある。前首相の悪政「カジノミクス」により崩壊寸前となっ…

山本泰弘
4年前
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【#読物語:本】米澤穂信『氷菓』

平成の少年が読み解く昭和からのメッセージ  推理作家《米澤穂信》のデビュー作となった学園ストーリー。  「やらなくていいことはやらない。やらなければならないことは手短に」をポリシーとする主人公《奉太郎》は、部活仲間《える》の懇願を受け、「柄にもなく」数十年前に自分たちの高校で起きた歴史事件の謎解きに挑む。その事件により彼女の伯父《純》は退学処分とされ、「氷菓」という謎の言葉を部の文集のタイトルに残す。後年、純は幼い頃のえるにそれについて謎の態度を残し、失踪していた。  主