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【指揮者#403】身体が緊張していると・・(アシュケナージの例)

【第403回:身体が緊張していると・・】

むかしアシュケナージがインタビューに答えて、ピアノをあまり弾かずに指揮に専念するようになった理由に、たしか手や腕の不調をあげていた。痛みがあってピアノに専念しにくいということだろう。たしかに若い頃のピアノ動画をみても、身体(筋肉)がけっこう緊張している感がある。

しかも、彼が録音で使っていたスタンウェイは独特の整音がしてあり、速弾きしやすいし、音質がまろやかで万人受けするのだけれど、私の見立てでは、その代わりに音量や音色がタッチでやや変わりにくい。つまり思わず力が入りやすい楽器だったと推測している。したがって、その楽器であれだけの大量な録音をこなした結果、手や腕への負担に拍車をかけたのではあるまいか。

指揮活動でも、アシュケナージは2004年にN響を指揮中、折れた指揮棒が左手に5センチも刺さって搬送された(これも手を痛めた大きな原因だろう)。思うに、これもやはり身体がやや緊張していることで起こった事故ではないだろうか。

指揮者メモ 伊藤玲阿奈・玲於奈・レオナ

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伊藤レオナ(在NY指揮者)
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