ジム初日の、ほろ苦い経験。
2022年12月4日の日曜日に、僕は30歳にして人生で初めてジムに入会した。
それから4日後の12月8日の仕事終わりに、ジム童貞を捨てるべく、足早にジムへ向かった。
紫色の小さなキーを、赤いランプにかざしてドアを開ける。
荷物をロッカーに入れて、フリーウェイトエリアへ。
そこで待ち受けていた光景に、思わず目を疑った。
なんと、マッチョ達が群れをなして筋トレをしているではないか。
ジムなので当たり前の光景かもしれないが、その気迫に思わず息を呑んだ。
目に見えない圧力が、ビリビリと伝わってくる。
ホームトレーニー歴4年半で、一目でマッチョと分かるほどの筋量は持ち合わせていたが、フリーウェイトエリアに一歩も足を踏み入れることが出来なかった。
僕は、まるでサファリパークの様に、フリーウェイトエリアの外から、マッチョ達のトレーニング風景をただ見ていた。
惨めな気持ちを抱えながら、逃げる様にしてその場を去った。
自分が、井の中の蛙であることを実感した。
「この惨めな気持ちをバネにして、これから新しい世界に飛び込み、筋肉を次のステージに持っていく」、そう心に誓ってジムを後にした。