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全国のプロジェクト事例

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リノベーションまちづくりの取り組みの中で生まれている、全国の事例を記事にしています。
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#エリア再生

点から線へ、線から輪へ。池袋経済圏のつくり方 | エリア再生/IKEBUKURO LIVING LOOP 東京都豊島区(2020年掲載事例記事)

IKEBUKURO LIVING LOOPって どんなところ?官民連携でまちの魅力向上や賑わいの創出を目指す「グリーン大通り等における賑わい創出プロジェクト」(2017年〜)を進めてきた豊島区。そのプロジェクトのもと、公共空間の活用を通し、エリアの魅力を高める企画を実施してきたのが、株式会社nest(以下、nest)です。 「池袋東口のグリーン大通り・南池袋公園周辺を“暮らしたくなるまち”にするために」という大きなビジョンのもと、彼らが最初に起こしたのは、南池袋公園で開

風景をつなげる発想で自らが興す。八百屋と公務員による家守団体 | エリア再生/lanescape 静岡県沼津市(2021年掲載事例記事)

lanescapeってどんなところ?まちなかを狩野川が悠々と流れる沼津市中心部を活動拠点とする一般社団法人lanescape(レーンスケイプ/以下、lanescape)は、遊休化している不動産のオーナーと利用したい事業者とをつなぐ家守団体。自主事業として狩野川のほとりにある1棟貸しのゲストハウス「魚町 蔵ノ上」も手がけています。 lanescapeのメンバーは、2009年から沼津あげつち商店街で青果店「REFS」を営む代表理事・小松浩二さん、沼津市職員でもある理事・渡邊

まちを旅館に見立てる。仏生山を変えた“整える”空気とは | エリア再生/仏生山温泉 香川県高松市(2019年掲載事例記事)

仏生山温泉ってどんなところ?高松市内から約7キロのところにある、典型的な郊外のまち「仏生山」地区に温泉ができたのは2005年のこと。それから12年の間にまちには旅館を始め、サンドイッチ屋さんや素敵な雑貨屋、美味しいコーヒー屋さんなどができて、エリア全体の魅力が高まっています。 そんな仏生山のまちづくりについてお話を訊いたのが、仏生山温泉の “番台”であり建築家である岡昇平さん。「どうやって仏生山をこんな素敵なまちにしたんですか?」と率直に伺うと、岡さんはにっこり笑顔で「

「日常を、劇場へ」。通りと公園から池袋の居心地を変える挑戦エリア再生/グリーン大通り 東京都豊島区(2019年掲載事例記事)

グリーン大通りってどんなところ?池袋駅東口からまっすぐ伸びる「グリーン大通り」。この通りを駅から5分ほど歩くと、「南池袋公園」に辿り着きます。ありえないと思っていた風景が実現した、あの注目の公共空間です(参照:「近づけない場所から、地域の誇りへ。南池袋公園のつくり方」)。 日本の公園でよく見かける、犬の散歩禁止、バーベキュー禁止、ボール遊び禁止、スケートボード禁止……。実はこれ、法律で決まっていることでも何でもなく、公園ごとのルールなのです。一部の利用者の無責任な行動が

近づけない場所から、地域の誇りへ。南池袋公園のつくり方 | エリア再生/南池袋公園 東京都豊島区(2019年掲載事例記事)

南池袋公園ってどんなところ?「南池袋公園に寄ろうよ!」「南池袋公園で会わない?」 池袋界隈にとどまらず、そこかしこでそんな会話が聞かれる昨今。広く青い芝生が広がり、料理もムードもいいカフェがあり、無料Wi-Fiがあり、くつろぐ人たちの顔には晴れ晴れとした明るさが宿る。この魅力あふれる公園は、以前は「危ないから行っちゃだめ」と、子どもたちが親から回避を促されるような場所でした。しかし、バブル崩壊後は深刻な財政難に直面し、行財政緊急再建計画が打ち出されるほどの状況のなか、公園

異なるスキルを持つ仲間たちと空き家の長屋を川越の新たなランドマークに | エリア再生/旧大工町長屋 埼玉県川越市(2019年掲載事例記事)

旧大工町長屋ってどんなところ?江戸時代に城下町として繁栄し、蔵造りの建物が軒を連ねる「小江戸」として知られる川越。都心から近い観光地ということもあり、年間700万人もの観光客が訪れています。趣のあるまち並みをアピールした観光コンテンツやスポットは充実しているものの、それはあくまでまちの外から来る人たちに向けられたもの。観光客が行き交う通りを歩いても、なかなか地元の人たちが集う姿は見られません。 そんななか、2017年6月20日に観光客で賑わう通りと地元の人々が行き交う通

「やるかやらないか、やる!」“楽しい”を共有して人を巻き込む、まちづくりのしかけ | エリア再生/中川町 福岡県北九州市(2019年掲載事例記事)

中川町ってどんなところ?かつて日本一の石炭積出港として繁栄し、日本の近代化を支えた北九州市若松区。洞海湾を挟んで若松と戸畑を結ぶ真っ赤な若戸大橋のたもとにある、古いトタン屋根の木造住宅が密集するエリアが、今回の舞台となる「中川町」です。戦後、色街として賑わったこのまちも、時代とともにその役割を失い、高齢化が進み、まち全体の約半数が築70年以上の空き家になってしまいました。 2014年より地元のまちづくりチーム「ワカマツグラシ」が、6軒の空き家をカフェやシェアハウスに改修

新たなマーケットを創出するカフェとワインツーリズム® | エリア再生/Four Hearts Cafe 山梨県甲府市(2017年掲載事例記事)

Four Hearts Cafeってどんなところ?東京・新宿から電車で約1時間半と、都心にもアクセスが良い山梨県甲府市。駅前には山梨県庁、甲府市役所、甲府警察署と公共施設が建ち並び、かつては賑いを見せていた中心市街地ですが、90年代後半から郊外に大型商業施設がオープンしたのをきっかけに郊外化が進み、シャッター街に……。 しかし、そこには今、山梨県産のワインが飲める飲食店が増え、再び賑いを見せています。その源流となったのが、大木貴之さんが手掛けるカフェレストラン「Four

路地裏の小さなバルから起こす「エリアリノベーション」 | エリア再生/亀の町 秋田県秋田市(2017年掲載事例記事)

亀の町ってどんなところ?秋田市の繁華街・川反からほど近いところに位置する、南通亀の町。昔ながらの商店街や飲食店、住宅街が隣接するこのまちに「狸小路(たぬきこうじ)」という小さな路地があります。2013年、ここにオープンしたのが、居酒屋跡をリノベーションして、秋田県産の食材をふんだんに使った料理とおいしいワインを提供するスペインバル「カメバル」です。 このリノベーションを手掛け、「カメバル」を運営するのは株式会社See Visionsの東海林諭宣(しょうじ・あきひろ)さん

ゴーストタウンを新しいまちに変えた、エリア価値を高める物語エリア再生/問屋町(2017年掲載事例記事)

問屋町ってどんなところ?問屋町は岡山駅から車で約15分のところにあるエリアで、約13haの地区には約50の卸売業者のオフィスと60以上の小売店が入居。おしゃれなカフェや雑貨店、ファッションが並び、多くのクリエイターも事務所を構えるクリエイティブなスポットとして注目を集めています。 エリアの歴史は1968年より問屋業のまちとしてはじまります。最盛期では繊維業者を中心に86社が軒を連ねていました。それから32年、小売業の流通形態の変化から卸業は衰退、問屋町でも廃業が相次ぎま