日本一、セクシーなカレーライス。 #蓮グルメ
セクシーについて考えてみた。はたして、人はなにをもってセクシーと判断するのか? そもそもセクシーとは何か?
例えば、それが男の見た目の問題ならば、話は簡単だ。
タイトなスーツを着て、きちんと磨いた靴を履き、ホテルのバーでマティーニを静かに飲んでいればいい。
では、カレーライスのセクシーとは何か?
その答えは目黒にあった。
店の名前は「LAND」。目黒通りを進み、目黒新橋を越えてからすぐのお店だ。
グレーの小さな門に、合金の文字でLANDと書かれている。門の先には螺旋階段が続き、二階の店内につながる造りだ。
螺旋階段を見ると、何故かその先に期待をしてしまうのはぼくだけだろうか。
そんな無責任な期待を込めて店内に入ると、なんとも落ち着きのある空間が広がっていた。内装は打ちっ放しのコンクリートとダークグレーに統一されている。そして木で出来たカウンターと窓枠。コンクリと木のハイライトがシックに決まっていた。そんな店内にアメリカのヴィンテージっぽい照明が柔らかな光を注ぐ。家具の街「目黒」に住む人々にも、きっと愛されているのだろう。
40代くらいの店主は、スレンダーで、顎に立派な髭を蓄え、白と黒のユニフォームを着こなし、表情には余裕を持ち、手と目は客の状況に合わせて機敏に動いていた。
15分ほどで、注文したポークカレーがで出て来た。
まず、見た目が美しい。
ピラミッド状に盛られたライスとそこに寄りかかるマッシュポテトでドロドロのルーをせき止めている。赤茶のルーにはスパイスや薬味が振りかけられていて、白皿に映える。まるで、一つの工芸品のような作品だ。
いただきます。
柔らかく煮込んだポークをほぐし、ルーと一緒にご飯とマッシュポテトを軽く混ぜた土台に乗せて食べる。
美味しい。
一人前にタマネギを1.5個も使用したルーは、甘みの後にスパイスの程よい痺れが追ってくる。
耳を傾けなければ聞こえない程の大きさでBGMが流れている。
チェット・ベイカーだ。
彼の乾いた歌声と切ないトランペットを聴きながら、見た目も味も美しいカレーをゆっくり食べる。
満席の店内で、店主やバイトさんたちがキビキビ動きながらも、ゆったりとした時間が流れていく。
セクシーだ。
目黒のLANDというカレー屋は、日本でただ一つのセクシーなカレーライスを堪能できる、贅沢なお店だった。
お世話様でした。
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