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70年前のカレーが、令和でも映える。インパクトと確かな味、渋谷ムルギー

あのカレーは、4年前の夏だった。

20代の3人の若造は、富士山の7合目で、ふらふらと山小屋に入った。ここで仮眠をとって、頂上を目指す。

山小屋の女将さんが気さくに提供してくれたのが、いたって普通のカレーライスだ。でもこのカレーライス、富士山効果も相まって、素敵な山のカレーとして、記憶に残った。

時が過ぎ、令和元年、5月。

今回は都会の渋谷で、山のカレーに出会った。SNSで「渋谷 カレー」と調べれば、1番最初に出てくる有名なカレー店、ムルギーだ。1951年創業。約70年続く老舗である。

5月なのに真夏のように暑い日差しが降り注ぐ。運良く並ばずにお店に入れた。店内は、まるでレトロな純喫茶のようだ。

注文を済ませて、あたりを見回す。中高年のお客さんも多いが、若いカップルもちらほら。老舗を愛するファンたちが、静かにカレーを待っている。

差し出されたカレーは、文字通り、「山盛り」だ。

山盛りの所以をウェイトレスさんに聞いたら、「初代が登山好きだったので!」とのこと。このインパクトある盛り付けは、令和になった今でも映えている。

初代のセンスに脱帽です。泣

いただきます。

濃い茶色のルーは、ソースの印象が強く、昔ながらの味を守っているようだ。これが70年近く愛され続ける味かぁ。ぼくよりも全然年上だ。

富士山を登った記憶を辿りながら、山盛りのご飯を崩していく。

昭和のまま、時が止まったかのようなお店で味わう至福のひとときは、平成生まれのぼくにとっては異世界のようだ。

渋谷は、僕が生まれる前から渋谷で、ムルギーも僕が生まれる前からムルギーなんだ。僕が死んでからも渋谷は渋谷で、そしてムルギーもムルギーで居続けて欲しいなぁ。


お世話様でした。



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