こんなときどうする? どうなる? Q&A 3つのNISA 徹底活用術 (著・竹川美奈子さん)
著者の竹川美奈子さんから頂きました。
つみたてNISA、一般NISA、ジュニアNISA
現在、存在している3つのNISAに加え、2024年から一般NISAに代って登場する新NISAについても詳しく説明された一冊です。
本は二部構成になっていて
第I部 3つのNISA 制度のキホンと改正点
第II部 Q&A でわかる! キホン、活用、出口
です。
第I部 が63ページ、第II部 が120ページなので、Q&Aが中心になっています。
第II部の質問からです。
Q 親がNISA口座で株式に投資しています。もし相続することになったら、私のNISA口座に入れられますか?
Q つみたてNISAは始めてから20年たったらどうなりますか?
Q 新NISAは、1階部分を利用せずに2階部分だけを利用することができるのですか?
Q 子どもが現在8歳です。ジュニアNISA口座を開設して投資をし、ロールオーバーすれば20歳まで非課税で運用できますか?
Q 資金に余裕があるので、せっかくならNISAの非課税枠をめいっぱい使いたいです。どうすればいいですか?
具体的なケースも沢山、65の質問に対して竹川さんがご回答されています。
本を読み通してあらためて感じたのは、新NISAの複雑怪奇さです。↑のQ&Aにもありますが1階とか2階とか、なんじゃこりゃ?!と感じずにはいられません。
「なぜ2階建てなのか」という点について、金融庁の説明が紹介されていますが、さっぱり分かりません。「へぇ」と感じたのは、新NISAではレバレッジ型の商品は2階部分に入れられない予定だということ。レバレッジ型の商品は「成長資金の供給拡大」には当たらないということなんでしょうかね。
僕自身は2014年から一般NISAを利用しています。最初に買い付けたらずーっとそのままにしておこうと思っているので、新NISAにロールオーバーするつもりです。ロールオーバーのタイミングで1階とか2階とかそういうことを考えないくらいに資産が成長してくれていると良いなあ、と思っています。
2024年にロールオーバーするのは2019年買い付け分(2014年に買い付けたものをロールオーバーしたもの)だと思うので、今の時価であれば問題なさそうですが、2023年12月になってドンと評価が落ちたりしたらめんどくさい手間が増えるかもしれません。
ってなことをグダグダ言っても仕方ないし、将来のことは分からないので、その時が来たら適切に対応するだけです。
時間をかけた資産形成をこれから始めよう。そんな意思をお持ちの方には「つみたてNISA」一択だと思います。
NISAのことについては、いつも同じことを書いています。
かくも複雑怪奇な制度になっているがために、「何か必勝法、お得なやり方があるのでは?」という考えを持たせるのではないか、と思うのです。結局、関心がそっちにばかり向かって、資産形成の基礎を納得することが疎かになってしまうのでは、と。
「つみたてNISA」の場合、口座で買い付けるのは投資信託が中心ですので、大事なことは投資信託の仕組みをまず最初にしっかりと理解することだと思うんですよね。
もっと大事なこと。
この本の「おわりに」で竹川さんがこう述べられています。
私たち生活者のお金を社会にまわし、会社と社会の持続的発展を支え、そして、それが自分たちに返ってくる。資産形成ができて、豊かで充実した人生につながる
めでたく資産形成が順調に進んでいるのであれば、それを支えてくれている会社、社会に感謝しつつ、同時に、何が起きているか、課題(たとえば、気候変動とか人権とか・・・)についても一定の関心を寄せておくべきだろうと思います。あまりに無関心が過ぎると、順調だったはずの資産形成も変調を来すことがあり得る、そうした意識がこれからより多く求められるのかもしれません。
ちょっと脱線気味になってしまいました、、、
NISAについて理解を深めるのに大いに役立つ実践的な一冊でした。
竹川さんの著作については、こんな記事も書いてます。