IGPI流 経営分析のリアル・ノウハウ (PHPビジネス新書)
#Voicy のプレミアム放送 がきっかけで買いました。
10年前に出版された本ですが楽しく読めました。
本の中からツイートしました。
「小学校から」というのはちょっと極端かもしれないですけれど、複式簿記は早いうちに学んだ方が良い、というのは同感です。
この一方で、こんな指摘もされています。
「決算書を読む」「読める」ということは、一体どういうことか、を考えさせられます。数字だけを見て、それを計算して、いろんな指標を並べてみて、そこで終わっているだけでは「読める」ではないよ、ってことなんでしょうね。
「決算書を見て、自分で有用なメッセージが作れる」=「決算書が読める」
この #会計クイズ本 では「自分でメッセージがつくれる」=「読める」としています。メッセージの有用さを増す、高めていくためには、数字だけではなく事業の仕組み、仕掛け、競合との違い、独自性、時にはその歴史を知る必要が出てくるでしょう。数字の変化、動きとそれらの要素がうまく絡めることができた、そんな仮説を持てる。そういう状態がいいですねえ。
「事業の経済性」という言葉。
16 業界構造の変質の陰には、必ず経済構造の変化がある
このチャプターで登場します。「事業(の)経済性」という言葉、 #中神康議さん も説明されています。
#NVIC さんのおおぶねオーナーズマニュアルにも出てきます「事業の経済性」。
事業の経済性をどう捉えるか、が非常に大切で、これこそがプロの仕事。
これまでに起こったこと、今起きていることをどう関連づけるか、その見立ての精度を高めるのは過去に起こったことをしっかりと細かく分析することが大切だと感じました。ええ歳こいて今更何を、とも思うところもありますが、そういうことをあらためて気づくことも大事なんだ、って自分に言い聞かせてます笑
26 そもそも勝ちパターンがつくりにくいビジネスもある
このチャプターで「機会事業」「障壁事業」が登場します。
中神さん率いる #みさき投資 さんも解説されていますね。
NVICさん:
株式投資にも「機会事業」っぽいやり方がある、と思います。つまり、価格の動きを見てそれを追いかけながら投資判断する。この種のやり方は、投資先が頻繁に忙しく慌ただしく入れ替えられていることが多くなると推測されます。一方で「障壁事業」的な株式投資は、価格ではなく「事業の経済性」で判断する。それが持続的に維持されるか、あるいは強くなる余地が認められるか、で判断する。分析には、相応の手間と時間が掛かる。だから、投資先はそんなに増やせない。また、投資の期間も長くなる。
僕がアクティブファンドを眺めてみる際に、強く興味を持つのは、投資先の入れ替え度合い、1社をどのくらい長く保有しているか、です。厳選、1社の保有期間もそれなりに長いのに、長期で見て成績がイマイチのアクティブファンドもあります。そうしたファンドは「事業の経済性」を捉える、その分析がイマイチなんだろう、ってことだと思っています。
36 経営分析で同業他社を丸裸にする
答えは、学びと実践の繰り返しの中に
最後のチャプターでこのように述べられています。
僕は個人投資家ですし、時間等の制約もあってできることなんてたかだかしれています。でも、それでも、数字を見て、想像を働かせながら、自分なりのメッセージ、仮説をつくっていくことはできるはず。その数を積み重ねていくと、また新しいメッセージ、仮説がうまれてくる。そうしたことを楽しみにしたいと思っています。
また、投資しているアクティブファンドから発せられるメッセージをそれと照らして「なるほど、プロはこう見るのか」ということを楽しめたらな、って。
楽しい読書体験を得ることができました。
この本と出会うきっかけを下さった大手町さんに深く感謝です。
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