#積立投資、 #コツコツ投資、 #つみたてNISA、 #iDeCo の入口にいるアナタへ
つみたてNISA、iDeCo といった制度の普及が進みつつあるのを実感します。こうした制度で行う行動が「積立投資」「コツコツ投資」となります(iDeCoの場合、投資ではなく貯蓄のような選択肢はありますが)。
「積立投資」「コツコツ投資」(以降、コツコツ投資)の実践法を紹介、解説した書籍が多数出版されていますし、Web上でも様々な情報が見つかります。
多くの場合、商品の選び方に重点が置かれているわけですが、それに負けないくらい重要な、納得しておくべきことがあると私は考えています。
というわけで、
アナタが足を踏み入れようとしている場所のこと
投資信託を保有するということは、「市場(株式市場、証券市場、資本市場と色々な表現がありますが)」に足を踏み入れるということです。市場ですからそこが営業されている、開いている間は、毎日、刻々と取引が行われる、つまり、アナタの資産に「価格」が付けられるということです。売りたい人と買いたい人の売買、取引によって、価格は上下します。買う人が増えれば価格は騰がりやすくなりますし、逆に売る人が増えれば価格は下がりやすくなります。それは世間一般の商品の売買と大きく違いはありません。
投資信託の基準価額(毎日計算されて、営業日毎に公表される)は、その投資信託で保有されている資産の価格(時価)を基に算出されます。したがって、その基準価額は毎日、騰がったり下がったりするわけです。価格が騰がったり下がったりするということは、100の値段で買ったものが、翌日には105になったり、95になったり、市場が大きく変動すればもっと大きく変化します。100で買ったものが80になると、それは20の評価損状態となります。市場に足を踏み入れるということは、そのような上下動のある場所に自分の資産を置くということです。
解約、換金することで市場から退出することができますが、退出してしまうと、そこから先、大きく値上がりしてもその果実を享受することはできません。もちろん、大きく値下がりした場合、その損失を蒙ることはありません。
その場所に出たり入ったり、ということも可能です。それらの行動は自由にできることも大きな特徴です。
出たり入ったり(売ったり買ったりってことですね)、という行動をすることで大きな価格下落から逃れられる可能性がある一方、大きな価格上昇の恩恵を享受できない可能性があります。株式投資を主軸に置いた資産形成は、通常、長い時間軸で臨むことになります。その長い時間軸において、ここで挙げた大きな価格上昇のタイミングでその場所に居ないというのは、非常に勿体ないことになります。大きな上昇(下落もですが)のタイミングを事前に正確に知ることは不可能です。タイミングが分かる、と豪語、強弁する人も世の中にはいるでしょうけど、その種の人にはあまり近づかないのが得策です。
で、ですね、実際、この場所に足を踏み入れたら、とても気になります。
投資している金額、この場所に放り込んだ金額に対して
プラスか?マイナスか?
そりゃ当然ですよね。毎日、その評価が分かるわけですから。簡単に確認できるんですから。
でも、よーく考えてみて欲しいことがあるのです。
アナタのお金は何に換わったのか?
アナタが投じたお金で買った「投資信託」。その「投資信託」の向こう側には何があるのか。言い換えると、アナタのお金は何に換わったのか?ということです。自分のお金と交換に手に入れた「投資信託」。「投資信託」という器の中には、様々な会社の「株式」が詰め込まれています。(「債券」ほかも詰め込まれている「投資信託」もありますが、ここでは割愛します)つまり、アナタのお金は「投資信託」を通じて「株式」に換わったのです。
この「株式」に「価値」があると多くの人が考えられるから市場で売買、取引される(上場している)、つまり、売買、取引の度に「価格」が付けられるわけです。この「価格」がアナタの投資した金額の
プラスか?マイナスか?
を決めているのです。
ここでよく考えてください。
「価格」は売買、取引される度に変化するのですが、その「価値」は変化するでしょうか。
揺れ動く影は「株価」、影の実体は「株式価値」、影を作る光は「相場心理」である
https://www.panrolling.com/books/gr/gr72.html
岡本和久さん著『長期投資道』の24頁の図です。会社の「価値」は当然、時間と共に変化していきます。しかし、刻一刻と、しかも市場で売買、取引される度に変化するのではありません。市場での売買、取引がどうであれ、会社の「価値」はそれに左右されるものではないと私は考えます。
どうでしょうか。ここまでお読みになったらお気づきになった方もいらっしゃるとと思います。
「投資信託」を持っている私たちが、より強い注意を払うべき対象は、
投資している会社の株式の「価値」
なんです。株式市場という場所は長期的にみれば、「価値」あるものに適切な「価格」を付けて換金する機会を提供してくれる所、そこにアナタは足を踏み入れようとしているんです。
"仮に証券取引所が5年間閉まったとしても私たちは全く困りません。"(農林中金バリューインベストメンツ)
仮に証券取引所が5年間閉まったとしても私たちは全く困りません。株価がつかなくても、投資先企業の企業価値は着実に増大していくものと考えているからです。
https://www.nvic.co.jp/philosophy/approach
投資先を厳選することで知られる、農林中金バリューインベストメンツのWebサイトからの引用です。
お分かり頂けるでしょうか。
アナタの持っている株式が、その株式を発行している会社が、時間と共に「価値」を増やすことができるか否か、こそが大事なことなんです。農林中金バリューインベストメンツの「5年間」という喩えからも想像できると思うのですが、「価値」をつくりだすには相応の時間が必要なのです。
投資する対象がどのような商品であっても、その先にある資産が「価値」を時間と共に増やせるのかどうか、という視点を持つべきだと私は考えます。
資本家になるということ
「投資信託」を通じて、であっても、その中に「株式」が含まれているのであれば、投資信託を持つということは「資本家」になるということです。出たり入ったり(売ったり買ったり)が忙しい人だって、「資本家」です。
「資本家」とは、投資先の会社が「価値」をつくりだすのを支える関係者、当事者の一人です。それがどんなに少額であっても。
「株式」を市場で買っても、その代金は直前の持ち主に移動するだけで、「株式」を発行する会社にそのお金は届いていないから、その投資先を支える(応援する)ことにはならない、という言説を時折見かけます。しかし、その「株式」をしっかりと保有して「価値」がつくりだすのを見守る、株式を買った人がそのように振る舞ったとしたら、、、それはその投資先を支えている、関係者、当事者になっている、と言えるのではないでしょうか。
「価値」を長期的につくりだし続ける会社の関係者、当事者になることができれば、その果実を味わうことが出来る可能性が非常に大きいと私は考えています。
最初から完全に納得できていなくても、、、
以上、ここまで述べたことは、#積立投資、 #コツコツ投資 、 #つみたてNISA 、 #iDeCo の入口にいるアナタにとって、今、完全に納得できる内容ではないかもしれません。そんなこと言ってもねー、って。
しかし、この場所に足を踏み入れ、最終的に果実を味わうには、それなりの長い時間が必要で、かつ、出たり入ったりしていてはその果実が目減りしてしまう可能性が高い=居座り続ける方が結局ベター、なのは、ほぼ間違いありません。
ですから、ちょっとずつでもいいので、「日々の騰がった下がった」という「価格」から、「自分が投資している先はどんなんかな?」という「価値」に視線を向けるようになっていくことが大事だと思うのです。視線の方向が「価格」から「価値」に向かうことが、時間を掛けて「価値」が増えた結果の果実を味わうことの出来る「資本家」になる一歩になるはず、私はそう思います。
以上、色々と書き連ねましたが、今、まさに入口にいらっしゃる方にとっては難しく感じられたことでしょう。長く投資をやっていると、始めた頃の記憶というのは鈍ってくる、場合によっては、間違えて記憶していたりするものです。そこで、です。
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