三宅香帆さんの「好きを言語化する技術」を投資にも使えば、 投資哲学という自分だけの誰にも奪われない資産が育つ
この記事に加筆した「完全版?」はこちらです
「株式投資って難しそう…」そう思っていませんか?
でも、実は**「好き」「スキ」❤️**という感情を味方につければ、投資はもっと楽しく、そして長く継続できる可能性が高くなります。そのうえ、自分だけの、オリジナルなステキな資産が育つかもしれません。
三宅香帆さんの著書「好きを言語化する技術」は、自分の「好き」を明確化し、言葉にすることで、人生を豊かにするためのヒントが満載です。
この本を活用すれば、投資を続ける過程で「好き」を言語化し思考を深める、想像力を強化することもできる!そう感じています。
具体的にどうすればいいのでしょうか?
1. 気になる会社と出会えたら「好き」な要素を言語化してみる
「好きを言語化する技術」では、自分の「好き」を深く掘り下げ、具体的な行動指針を導き出す方法が紹介されています。なぜ、どんなところが好きなのか、どうやって好きが深まっていたのか。それを分析していくことで自分だけの言葉をふやしていく方法を、具体的な例を挙げて説明しています。
またこうした分析を重ねた材料をもとに統合することによって、自分の「好き」の解像度がグッと高まっていきます。分析の結果は具体ですが、統合の結果は抽象になることも多く、具体と抽象の往復が起こり得るため思考も深まるはずです。
「好きを言語化する技術」では、こんな箇所があります。
「なんでよかったのかな?」「どこがよかったのかな?」という点から、思考という名の妄想を膨らませてみる。
「なんでよかったのかな?」「どこがよかったのかな?」と自分で分析してみること、それを言葉にして書き残す、アウトプットすること、それが「思考」であり、自分で考えるということだと思います。大事なのは、しっかりとアウトプットを残しておくことですね。
例えば、あなたが「外食産業に関心がある」という「好き」を持っているとします。この「好き」を投資につなげれば、ユニークなお店でお客さんの熱い支持を得ている企業の株式に投資することが考えられます。
その企業のお店のどんなところが「好き」なのか、どんなサービスに感激したのか、そうした一つ一つをアウトプットしていくわけですね。
2. 言語化、思考、妄想を積み重ねて投資対象への理解を深める
「好き」を言語化すること(アウトプットしておくことが重要)で、投資対象への理解が深まります。この言語化は上述の通り「思考」そのものです。
「好きを言語化する技術」でも何度も強調されていますが、ここで「他人」の声、感想に振り回されないことがとても大切だと思います。
それらしい他人の感想を見てしまうと、言語化、思考、妄想のオリジナリティが劇的に損なわれてしまいます。
外食企業に関心を持ったあなたは、その企業の商品やサービスだけでなく、お店で働く人たち、またその企業と一緒に新しい価値創造に挑戦しているようなパートナー企業にも興味の範囲が広がるかもしれません。
さらに、関連するニュースや専門書を読むことで、より深い知識を身につけることができます。さらにそこから言語化、思考、妄想へと進むことができれば、その企業への理解も深まっていくことでしょう。
3. 投資に対するモチベーションを高める
「好き」を投資につなげていくと、投資に対するモチベーションが自然と高まります。
自分が応援したい企業の成長を肌で感じ、投資を通して社会に貢献している、社会課題を少しずつでも解決している実感を得ることで、長期投資を継続する意欲が湧いてくるでしょう。その企業の「価値をつくりだす、うみだす実力」への関心もキープされるでしょう。
自分が投資している企業の商品、サービスのお客さんの満足そうな笑顔を見つけるたびに嬉しくなることもあるでしょう。そうした経験はモチベーションにつながりますよね。
4. 投資戦略を明確にする
「好き」を言語化することで、投資戦略も明確になります。
企業の実力を拠りどころにして投資する場合、長期的な視点で成長を見込める企業を選ぶことが重要です。というのも、企業の営みが成果を生み出すには相応の時間を要することが多いからです。もし素晴らしい画期的なサービスをその企業が創り出し続けることができれば、時間とともにその企業の価値が増大していくことでしょう。
「好きを言語化する技術」では、次のように指摘されていますが、投資においても極めて重要な姿勢、スタンスだと感じます。
絶対的な「好き」なんてほぼあり得ないもの。そして「好き」が揺らいだとしても、それを嘆く必要はまったくありません。だって当たり前だから。むしろ揺らがない「好き」なんて、盲目的な執着であって、本当の意味で「好き」なわけじゃないのかもしれません。
5. 投資の楽しさを実感する
「好き」を投資につなげることで、投資は単なるお金儲けではなく、自分の価値観を反映した行動になります。
投資を通して、社会貢献や価値の実現、増大を実感できる喜びは、投資をより楽しく、そして充実したものにしてくれるでしょう。
推しの魅力を伝えるのって、すごくすごく素敵なことです。自分の好きなものや人を語ることは、結果的に自分を語ることでもあります。
冷静に自分の好みを言語化することで、自分についての理解も深まる。それでいて、他者について語っているのだから、自分じゃない他者にもベクトルが向いている。すると、他者の魅力や美点に気づく力も身につきます。
「好きを言語化する技術」を活用して、言語化、思考、妄想というプロセスを積み重ねることができたら、投資は単なるお金儲けを超えたものになるはずです。
自分の「好き」を活かした、より豊かな人生を創造するためのツールになります。思考を深める経験の束が、自分なりの哲学という「見えない資産」が時間とともに積み重なっていくことだろう。株式投資歴20年の僕の仮説です。
「好き」を言語化し、考え、想像力を高める。この経験を重ねることが、投資に活かせる、とても大切なオリジナルな資産に育つ、という捉え方は、まだあまり広く認識されていないように思います。
世間では「タイパ」「コスパ」を重視して、”ほったらかし”が大きな支持をあつめているようですから。
好きを言語化すること、それを積み重ねた経験が、かけがえのない資産に育つ
じっくりと時間をかけた株式の長期投資で資産を築いた投資家のろくすけさん。
ろくすけさんの著書『大暴落の夜に長期投資家が考えていること』に企画・編集に関わらせていただきました(ご興味あれば こちら を)。
この本の第5章のタイトルは「株価暴落までに見つけておきたい「買う」企業の選び方」です。
どんな会社の株式を買うのか、その選び方の具体的な方法を”文系脳のための投資先選び”として5つのステップで説明されています。
その最初のステップとして挙げられているのが”まず「言語化」する”です。
自分の言葉をつくりましょう。
たぶんまずは、そこから始まるんです。
三宅さんの『「好き」を言語化する技術』の本編はこう締めくくられています。
どんな人たちを「推し」にするのか、どんな会社に投資するのか、最初は”言語化”、それも自分の言葉での言語化。そこから始めるんです。
直感的に「この企業に投資してみたい!」という感情がわいたとします。そこから実際に投資行動に移すまでにまずやっておくべきことは、そのように感じた、考えた理由をハッキリと言語化して文字に残しておくことです。この時点では凝ったものをつくる必要はありませんが、必ず文字としてアウトプットしておきましょう。
ろくすけさんは、この著書以外でもあちこちで「言語化」の大切さ、その効用の大きさを説かれています。
既に述べましたが、言語化に真正面から取り組むプロセスとは、分析して統合、統合して分析、具体から抽象へ、抽象から具体へ、という具合に「思考」=考えることです。
つまり「言語化」に真剣に取り組んだ経験、場数がじわじわと時間とともに効いてくるわけです。
投資している会社の事業を知らない、興味もない。そうやって”ほったらかし”にしている、そして、それを長く続けるのは非常にもったいない話です。自分の言葉をつくるために考える、思考する絶好の機会なのに、って。
何年も”ほったかし”を続けている人に、ここまでの言葉は響かないと想像しています。うん、実際、別にそうした人たちに響かせたい、なんて大それたことは全く考えていません。
でも、若い人たちには、ちょっと自分で考えてみた方がいいよ、って伝えたいんです。僕自身、大学生と高校生の息子がいます。彼らには伝えたい。
ほったらかし、とんでもない!
って。学び考える、とても大きな機会を逸してしまうよ、と。
多くのふつうの人にとって、資産運用は仕事でも趣味でもない?
この種の言説はあちこちで見かけます。僕も以前はそうだよね、って思っていました。
でも、この「資産運用」を「投資」という言葉に置き換えたらどうでしょうか。それも株式投資に限定したりせずに、もっと幅広く自分の大切なもの、たとえば時間、それをどこに割り当てるか、という「投資」に。
就職や転職活動、パートナー選び、住まい探し。これらも「投資」と考えたらどうでしょう。
こう考えてみると「投資=人生」「人生=投資」と捉えることもできるでしょう。何か行動するときに、候補となる選択肢を絞り込む、そして、その候補の中から実際の行動を選ぶ。
このプロセスを「投資」と捉えたとき、そこでの判断に役に立つことはどんなことでしょうか。
「好きを言語化する技術」を活用して、言語化、思考、妄想。この経験はその判断に大きな助けになってくれる。僕はそう思います。その意味で、「好きを言語化する技術」を活用して、言語化、思考、妄想 を繰り返す、その体験の数を積み上げることが大きな「資産」になるわけです。
もちろん、アイドルほかの「推し」についての「好きを言語化する技術」を活用して、言語化、思考、妄想 も、広い意味での「投資」で大きな助けになってくれると思います。
一方で「株式投資」の場面で、その文脈でも、「好きを言語化する技術」を活用して、言語化、思考、妄想 の場数、回数をふやすことができます。
なにより、「好き」から始まる株式投資は、楽しく、ワクワクしたものになるはずです。
誤解しないでください
誤解されては困るのですが、「オルカン」「S&P500」を資産に持つことを否定しているわけではありません。
それらの資産だけで「ほったらかし」というのは、もったいないよ、ってことです。特に、株式投資に限らず「投資」を決めなきゃいけないことが多数待っている若い人たちには。
「好きを言語化する技術」を活用して、言語化、思考、妄想
この経験を積み重ねることのできる素晴らしい機会。
その機会の存在に気づくことなく、時間が過ぎ去らせるのが「ほったらかし」。
「ほったからし」ではなく、「好きを言語化する技術」を活用して、言語化、思考、妄想 の回数を増やそうぜ、って二人の息子には伝えよう。
そう考えています。
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