"傑作は、最初から傑作なのではない" (『ゆっくり、いそげ』<著・影山知明さん>より)
IKEUCHI ORGANIC の牟田口さんの記事。
初任給で家族への感謝の気持ちをIKEUCHI ORGANICのタオルで、ってとてもステキだなあ、と。恥ずかしながら、私は何か贈ったのか、すら覚えていません。こうしたシーンに「これが贈りたい」という存在があるっていうのも良いですよねぇ。
「学生時代から憧れだった商品」というのも、とても印象的で。
今回のシーンとはちょっと違うのですが、「学生時代から憧れだった商品」。こんなこともあるかな、と想像してみました。
学生時代から「社会人になったら自分のお給料でこれを買うんだ!」というモノやコトがあって、それを少しずつ買い足していく、、、
私の場合、いつもそこに結びつけてしまうのですけれど笑、投資信託でもこういう思想でつくられた商品があったらなあ、と思います(今やネット証券では100円から投資信託を買えたりするので「社会人になったら」と思わずとも、もっと早い段階で買い始めることも可能なのですが。)。
しっかりと手をかけて運営されていて、投資家との関係づくりに熱心な投資信託は、長い時間を掛けてお付き合いすることが出来るものだと私は考えています。投資の成果を大きく左右する一つの要素は、どれだけの時間を与えることが出来るか、です。「学生時代から憧れ」と思ってもらえるような商品になることが出来たら、真摯にその期待、信頼に向き合うことが出来たら、その投資信託は長く永くお付き合いしてくれる投資家が集う存在になりえる、ということではないでしょうか。
機会があり、大好きな本「ゆっくり、いそげ」を最近、久しぶりに読み直したのです。この本で特に印象深いのが第7章。
「時間」は敵か、それとも味方か
本を最初に読んで以来、ずっと憶えているフレーズ。それが
あらゆる仕事の正体は「時間」であると思う。
それも機会が働いた時間ではなく、人が働いた時間(「働かされた時間」ではなく)。
今回、読み直してみてあらためて記憶に焼き付いた言葉があります。
傑作は、最初から傑作なのではない
傑作が傑作たるためには、そうなるための時間とプロセスが必要なんだということになる。
「学生時代から憧れ」の商品になるのにだって、そうなるための時間とプロセスが必要だと思います。IKEUCHI ORGANICさんのタオルは、そうなるための時間とプロセスを経ているし、まだまだそのための時間とプロセスが投じられることでしょう。
愛されるものになるために必要な時間
「傑作」は一夜にしてならず。
それは、「作ることに時間がかかる」ことを意味するというより、その仕事を愛してくれる人々の心を育てることにこそ時間がかかることを意味している。
傑作、愛されるものは、つくり手と受け手が時間をかけてきたからこそ育てられるんですよね。受け手がその仕事の中身を確かめる、味わう時間が長ければ長いほどそれへの愛着を深めることになるのだろう、とも思います。だから、若い人たちの視線や考え方を意識することは大事なことになってくるのではないでしょうか。
時代がどう移ろっても、いつの時でも、若い人たちが触れていたい、関わってみたい、関係者になりたいと感じてもらえるような要素を製品に埋め込むことができれば(それはそうそう簡単なことではないでしょうけれど)、「傑作」への一歩なのだろう、と思いました。
「ゆっくり、いそげ」 何度も読み直したくなる大好きな一冊です。