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洋服記録119_人のソックスを笑うな

靴下のバリエーションが増えてきた。   パンツスタイルの増加に伴い、 裾から覗く靴下のカラーや素材に多様性を求めたくなる。 そして靴下にこだわればこだわるほど、 そのこだわりを見せたくなる。 そうなれば、スニーカーよりサンダル。 パンツよりスカート。 靴下を起点にコーディネートを組むのはいつ以来だろうか。 少なくとも鏡の前でベストなたるませ具合に頭を悩ませるという行為は、 女子高生の時以来だ。 アラフォーの私が高校生だった頃、 ちょうどルーズソックスから紺ハイソへの移行期

    • 洋服記録118_ガードル冬の陣

      ホワイトのパンツ。 昨年の冬にその良さを知り、今年も買い足した。 赤や橙などのわかりやすい暖色ではないのに、 冬の白というのは、なぜだかほっこりと温かい。 どんなスニーカーとも合うし、上品なカジュアルスタイルが組める気がする。 とは言えこれまでは、 白いボトムスに対して抵抗感があった。 その理由は、汚れと透けの2点である。 白というのは、とにかく汚れる。 正確には他の色も汚れているのだけれど、 その汚れが顕著に目立ちやすいのが白という色である。 雨の日は履かないとか、

      • 洋服記録117_代理店のカラシ

        今年のキャメルパンツ、第二号。 一言にキャメルと言ってもそのバリエーションには幅がある。 今回はからし色に近い、黄色味のあるキャメルをチョイスした。 この色味、例えるならば「小袋のからし」。 お弁当や納豆パックに入っている、あれである。 実は私は、 あまり調味料を必要としない人間である。 もちろん、刺身にも餃子にも醤油は使うのだが、 わさびはまぁあったら添えるぐらいの温度感だし、ラー油やお酢を混ぜるのは面倒くさい。 レストランなどで凝った調味料が先方から提供されれば有難

        • 洋服記録116_星バッグに願いを

          我が家には中ぐらいのバッグがない。 数泊の旅行もこなせそうな大きいサイズのバッグはあるが、 基本的に荷物の少ない私には大き過ぎる。 逆に、近所に行くだけなので小さいバッグをと思うと、 小さ過ぎて財布と携帯でパンパンになってしまう。 程よい中ぐらいのバッグを至急入手せねばと見つけたのが、 MALUSのトートバッグ。 星柄、ベロア、キルティング。 要素としては可愛さと幼さが前面に立つのだが、色も素材も秋っぽく、何よりベストサイズ。 散りばめられた小さな星も、遠目からはほぼド

          洋服記録115_2周目ワードローブ

          既視感だけで腹痛を覚える三大要素。 屋内プールの塩素の匂い。 つるっとした廊下でスニーカーの底がきゅっと鳴る音。 炎天下の地面に水が撒かれた後の土埃。 この三大要素に出くわすと、 子どもの頃に乗り切ってきた苦行が呼び起こされる。 毎週親に連れられ嫌々通っていたスイミングスクール。 ミニバスケットで女だけの団体競技に苦しんだ体育館。 真夏の陸上部の午後練が始まるスプリンクラー後のグラウンド。 匂いや音や場面が、 心身に鞭を入れ己を奮い立たせていたあの頃の何とも言えない気

          洋服記録115_2周目ワードローブ

          洋服記録114_からくれなゐバッグ

          秋めくバッグを新たに投入した。   A VACATIONらしいファブリック感満載のバッグは、 持つだけで紅葉してくる。あ、高揚してくる。 この色味と柄、何かに似ているなと思っていたけれど、 そういえば実家のカーペットがこんな模様だった気がする。 そう思った瞬間、急に頭に中に和歌が流れる。 小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ~ 百人一首26番。 紅葉に語り掛ける秋の歌である。 何を隠そう、私は小学校高学年の時、 百人一首にのめり込んでいた。

          洋服記録114_からくれなゐバッグ

          洋服記録113_時の肌着に身をまかせ

          肌なじみのよい色、というものがある。  一般的には肌色に近いベージュということになるのだろうが、私の場合、 黄色味の強い明るいベージュだとやや肌浮きする。 逆に濃い目のラクダ色のようなベージュだと、馴染み過ぎて完全に同一化する。 色々と試してみた結果、私にとっては、 寒色寄りのベージュと、暖色寄りのライトグレーが混ざったような色味がしっくりくる。 いわゆる“くすみカラー“であるが、近年こういった色合いが豊富になってきているからだろうか。 微妙なニュアンス過ぎて、一言では言

          洋服記録113_時の肌着に身をまかせ

          洋服記録112_余所ゆきビッグT

          振り返ってみると、 今年の夏はビッグTをヘビロテした。 相対性えり論で触れた通り、私はTシャツが苦手なのだが、 体のラインが分かりづらく、適度な抜け感が出るビッグシルエットは、 スカートにもパンツにもよく合い、今夏のスタメンを張ってくれた。 このゆるっとしたシルエットにはどこか懐かしさも感じたりするのだが、 それは中高生時代、毎日のように着用していたからだろう。 当時は体育でも部活動でも、わざと大きなサイズを着るのが流行っていた。 体操着もTシャツも、ぶかぶかの袖をくるっ

          洋服記録112_余所ゆきビッグT

          洋服記録111_とんがりバギー

          今年の秋は、キャメルに決めた。   毎シーズンメインカラーを決めるのだが、今年はキャメル。 その方針に則ってトップスやボトムスを集め始め、 手始めに購入したのはワイドパンツ。 昨年からもっぱらパンツ派の私だが、ここまでのワイドは久しぶり。 なぜならば、これまた増殖中のスニーカーとワイドパンツとは、 やや相性が良くないからである。 私の中では、ワイドパンツの足元は、 つま先の抜けたサンダルかポインテッドトゥであってほしい。 足の甲を覆う布の先から、ちょっとだけつま先が顔を出

          洋服記録111_とんがりバギー

          洋服記録110_あいのりリュックサック

          20年以上ぶりに、リュックサックを買った。 背中に何かを背負った記憶を呼び起こすと、 小学校のランドセル、中学校の通勤リュック、高校の遠征リュック・・・と、 学生時代と見事にリンクし、かつ、高校卒業と同時に見事に終了していた。 今となってはなんか別の重た~いものを背負っているけどな。笑えん。 話を戻して。 リュックが優秀なことは重々承知している。 両手が空くことの快適さも、重いでも身軽に運べる便利さも、よくよくわかっているのだが、 私のような体格の大きい人間がリュックを背

          洋服記録110_あいのりリュックサック

          洋服記録109_リスクヘッジの花畑

          私は、冒険をしない。 インドア派ということもあるけれど、そういう話とは別に、 失敗に対して大きな恐怖心をもっている。 これは昔からの特性なのだが、失敗が極度に怖かった。 人前で間違った発言をするのも怖かったし、 テストで×がつくのも怖かった。 誰かを遊びに誘って断られるのも怖かったし、 思っていたリアクションが返ってこないことも怖かった。 できるかどうかわからないことに対しては、 自分から初動は起こさない。 まず、人がやっている様子をじっと観る。 観察後、あ、この程

          洋服記録109_リスクヘッジの花畑

          洋服記録108_相対性えり論

          体格に悩みを持つ人間にとって、 シンプル過ぎるからこそ着こなしに悩まされるアイテムがある。 それはずばり、 「Tシャツ」である。 何が難しいかというと、「T」という形。(そのまま) Tって・・・。 いや、人の体はたしかにTですよ。 だけど言わせてもらえば、 誰しもが綺麗なT体型ではない。 肩幅が広かったり、腕が太かったり、厚みがあったり、 (羅列していて嫌気がさしてきたのでこの辺で省略) 薄い布が描くTの字など、着用者のベースでいくらでも歪ませられる。 こっちの厚みを

          洋服記録108_相対性えり論

          洋服記録107_雑味のマーブル

          近頃、柄のないシンプルな洋服が増えている。 足元の主役がスニーカーになっているからだろうか。 トップスもボトムスも柄モノの出番はめっきり減り、 無地のシンプルなアイテム同士の組み合わせが急増した。 そんな状況を受け、 せめて色合いだけでも冒険してみようかと思い立ち、 うすい黄緑を投入してみた。 夏ということでホワイトのパンツとあわせてみたら、 見事な「メロンソーダコーデ」が完成した。 正直、決して似合うカラーではない自覚はある。 私が選んだというよりは、私の愛するIE

          洋服記録107_雑味のマーブル

          洋服記録106_体幹と涙腺

          思えば毎週末、 同じような服装をしている。 ワンピースタイプのトップスに、パンツとサンダル。 そして帽子と、サングラス。 合わせるアイテムや色合いは変わるものの、 土日のどちらかは必ずこの類の格好をしている。 理由は、自転車でジムに行くから。 着脱がしやすいワンピースとサンダルはマスト、 思いっきりクロスバイクを漕ぐためにはパンツもマスト、 乱れた髪とメイクを誤魔化すためには小物もマスト。 代わり映えのしないコーデに反省の念を抱きつつも、 これ以上の有効な選択肢は、今

          洋服記録106_体幹と涙腺

          洋服記録105_3本ラインで飛び蹴りを

          我がスニーカー陣営に、 またまた新参者がやってきた。 ブラック地に斜めに走る、 どこか懐かしさを覚える3本ライン。萌え。 アラフォー世代だと、小学生~中学生に上がった頃であろうか。 3本ラインの入ったadidasのジャージが大流行し、 私も親にねだって買ってもらったものだ。 だが流行とは移り変わるもので、 高校に入った頃には、もうNIKEの時代になっていた気がする。 あんなに心焦がれた3本ラインが、 まるで野暮ったさの象徴のようになるのだから、摩訶不思議。 そんな高校

          洋服記録105_3本ラインで飛び蹴りを

          洋服記録104_確信犯的アムネシア

          想定外の悲しみや驚きに遭遇した時、 どのように対処するのが適切だろうか。 思いっきり感情を爆発させたり、逆に冷静でいようと努めたり、 人によって対応や考え方は様々だと思うが、 小心者かつ自己保身欲の強い私が取る対処法は、ただ一つ。 全力で知らかなかったことにする。 これに尽きる。 例えば思わぬところで自分の良くない噂を耳にした時、 悲しい気持ちになるし、怒りも沸いてくる。 同時に、噂の発信源はどこなのか、 この話がどこまでの範囲に拡散されているのか、 事実をはっきりさ

          洋服記録104_確信犯的アムネシア