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わけるとわかる

 わけるとわかるは似ている。
 わけるとわかるかどうかはわからない。

 わけるとわかるは似ています。
 わけるとわかるをわけてみましょう。

     *

*わける:人が得意な行為。ヒトの歴史は「わける」の連続。分割、分離、別離、分断、分類、区別、差別、分岐、分別、分解、分節、分担、分裂、分配、分け前、身分、親分・子分。言葉と文字の基本的な身振りは「わける」。つかう道具は、縄と刃物とペン。線を引き、切り、しるす。

*わかる:人が自分は得意だと思っている行為。「わける」は見えるが、「わかる」は見えない。見えないから、その実態も成果も確認できない。お思いと同様に共有できない。行為や行動と言うよりも観念。一人ひとりのいだく思い込み。解釈、判断、判定、判決、理解、誤解、解脱、悟り。

     *

 わけるとわかるかもしれません。
 わけるをわけるとわかるかもしれません。
 わかるをわけるとわかるかもしれません。

 わけるをわける:分ける、別ける、「わ け る」、「wakeru」
 わかるをわける:分かる、別る、判る、解る、「わ か る」、「wakaru」

 わけるをわかるとわかるということになるのでしょうか。
 いずれにせよ、わかるは見えません。

     *

「わかった?」
「わかったよ」or「わからない」

 こうしたやり取りを頻繁に見聞きするのは、「わかる」が見えなくて確認しようがないからにほかなりません。

「わけた?」
「わけたよ」or「わけない」

 こうしたやり取りは見聞きした覚えがありません。見ればわかるからかもしれません。

     *

「わかった?」
「わかったよ」or「わからない」

 言葉(音声)に置き換えたり、文字に置き換えることで、つまり「わかる」を聞こえる化したり、文字という形で見える化して、それでも「わからない」にもかかわらず、とりあえす言質を取っているのだと思います。

 そう言えば、言質と人質は似ています。質(しち)とは「約束を履行する保証として預けおくもの。」(広辞苑)だそうです。

 うーむ。きな臭い話であることは確かなようです。

 分割、分離、別離、分断、分類、区別、差別、分岐、分別、分解、分節、分担、分裂、分配、分け前、身分、親分・子分。

#国語がすき #言葉 #音声 #文字 #漢字 #漢語 #和語 #辞書 #言質 #人質  


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