【聴くクラシック音楽入門】🎵Vol.7
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1.ルネサンス音楽とは
ルネサンスは「再生」や「復興」という意味もあり、文学、美術、建築の分野では大きく飛躍した時代でもありましたが、音楽においては、さほど復興に趣をおいておらず、ルネサンスの時代である1400年頃から1600年頃までに作られた曲のことをさします。
神への祈りが中心であった中世の音楽から、フランスの複雑なリズム、イングランドの3度6度のハーモニー、イタリアの旋律重視へと、より芸術性の高い音楽へと進んでいきます。(作曲家、音楽家は教会か宮廷に雇用されています。)
とは言ってもこの時代はまだ器楽が発達していない為、声楽曲が中心でした。
声楽箇所に器楽を重ねて弾く事や、声楽曲を編曲して弾くくらいのものでした。
2.活版印刷技術の発展
さて、以前に「最古の楽譜は9世紀後半のネウマ譜であり、全て手書きでした。」とお話ししました。
では、「印刷をされるようになったのはいつか?」
印刷技術はグーテンベルクが1450年までに開発し、それから50年後の1501年にオッタヴィアーノ・ペトルッチ(音楽出版社)から出版された楽譜が最古の印刷楽譜とされています。
印刷されたのは、教会音楽ではなく世俗音楽。
おもにジョスカン・デ・プレとハインリヒ・イザークの曲、96曲を印刷して収録した Harmonice musices odhecaton でした。
オッタヴィアーノ・ペトルチの印刷技法はきれいで読みやすい楽譜でしたが、楽譜が出来るまでに五線、文字、音符の順に3度の印刷が必要となり、時間も手間もかかる作業でした。
それから20年後の1520年頃、ロンドンで楽譜の印刷が1度の印刷でできるようになり、8年後の158年にフランスのピエール・アテニャン(音楽出版社)はこの技術を広めました。
この印刷技術により、今まで作曲家や音楽家だけの音楽が庶民に普及して、ヨーロッパ各地に広まり、また、作曲家、音楽家達にもあらゆる学派が生まれました。
これは20世紀末に出てきたコンピューターにも匹敵する、大発展といえます。
ここで、ルネサンスの代表的な音楽家を初期、中期、後期にわけてご紹介します。
(出身や活動した地域により学派が分けられます)
【初期】
《イギリス》
・ ジョン・ダンスタブル(イギリスとフラ ンスで活躍。ブルゴーニュ学派の先駆的存在)
・レオネル・パワー(イギリス・イタリア各地で活躍)
《ブルゴーニュ学派》
・ギョーム・デュファイ(フランドルのカンブレーやボローニャ、ローマなどイタリア各地で活躍)
・ジル・バンショワ(ブルゴーニュ宮廷に仕える)
【中期】
《フランドル学派》
・ヨハネス・オケゲム(アルトウェルペン大聖堂やフランス宮廷に仕える)
・ヤーコプ・オブレヒト(ブルッヘやアントウェルペンで活躍。フェッラーラの宮廷に2度仕える)
・ジョスカン・デ・プレ(ミラノやローマなどイタリア各地で活躍。音楽の父と呼ばれるほど名声があった)
・ハインリヒ・イザーク(フィレンツェと神聖ローマ帝国皇帝マクシミリアン1世の宮廷で活躍)
・オルランドゥス・ラッスス(イタリア各地やバイエルンで活躍)
【後期】
《ローマ学派》
・ジョヴァンニ・ピエルルイジ・ダ・パレストリーナ(ローマを中心に活躍したルネサンス後期最大の作曲家)
《ヴェネツィア学派》
・アドリアン・ヴィラールト(イタリア各地で活躍)
・アンドレア・ガブリエーリ(サン・マルコ大聖堂のオルガニストとして活躍)
・ジョヴァンニ・ガブリエーリ(アンドレアの甥でサン・マルコ大聖堂のオルガニスト。生涯の大半をヴェネツィアで過ごす)
《パリ学派》
・クレマン・ジャヌカン(ボルドーやパリで活躍)
・クロダン・ド・セルミジ(フランス王室礼拝堂の歌手、副楽長として活躍)
《イギリス学派》
・トマス・タリス(ヘンリー8世からエリザベス1世に至るテューダー朝の君主に仕える)
・ウィリアム・バード(タリスの弟子で師とともにエリザベス1世に仕える)
《スペイン学派》
・トマス・ルイス・デ・ビクトリア(ローマで学び、作曲家、歌手、オルガニストとして活躍。スペインに戻りマドリード近郊で司祭兼音楽家として過ごす)
歴史の地図もご参照ください(^-^)
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