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粕漬けサバのフライ 勝沼は中央葡萄酒の甲州ワイン

ハタハタ、ニシン、サバの粕漬けの粕を洗ってフライにした。
粕に浸かり魚の熟成と相まって増幅した魚の旨味を、フライにしてさらに凝縮させて閉じ込める作戦だ。

旨味たっぷりの魚のフライに合わせるべく、セラーから取り出したのは山梨県甲州市勝沼町の中央葡萄酒のワイン。甲州品種で造られている。
地名としての甲州と、ブドウの品種としての甲州がある (ワインを飲み始めた頃に少々混乱した) 。

中央葡萄酒, グレイス甲州鳥居平畑, 山梨県甲州市勝沼町, 2020, 11.5%, 3,500円
グラスからは大ぶりの梨、微かにグレープフルーツやカボスの柑橘香、鼻腔をくすぐるような柔らかで上品な香りのタッチ、あるかないかの微妙なニュアンスで吟醸香、僅かにセルフィーユの爽やかな香り。
口に含むとおおらかでみずみずしい果実味、穏やかな酸味、中盤からほろ苦さがしっとりと舌に残る、余韻までしっかりとドライ。

さて、ワインを魚のフライに合わせてみる。

粕に浸かったのと熟成、そして油で揚げたことで旨味が増幅。特にサバはジューシー且つヘルシーな脂も同時に広がる。口内が旨味と脂で満たされ幸せな気分になる。
そこにワインのおおらかな果実味と程よい柑橘香が重なり、ペアリングの妙を堪能。

最近、ペアリングの勇敢な冒険と失敗がいくつかあり、例えばホタルイカに深みのある繊細なシャンパンを合わせたり、シシャモのエスカベージュに樽が効いて熟成したスペイン リアス・バイシャスのアルバリーニョを合わせたり、といったもので、魚介のほろ苦さにワインがミスマッチをおこしてしまったが、一旦、基本に立ち返り、魚介に日本ワイン、王道の甲州産甲州品種を合わせ安心して楽しめた。とはいえ、引き続き冒険していくつもりだ。

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