ディルまぶし牡蠣フライにソース ペドロ・ヒメネスのシェリー香
揚げれば出来上がる状態(惣菜半製品と呼ばれる)の冷凍カニクリームコロッケとカキフライをスーパーで購入。自宅で揚げたてをワインに合わせる。
揚げ物の前菜にはキャベツを千切りにして、残っていた人参と大葉も細かく切って混ぜ、ツナを載せてサラダに。
カニクリームコロッケはフライパンの底に3~4cmほど油を注ぎ揚げていく。ビールを飲みながら揚げていて、少々集中力が欠けてしまい焦がしてしまった。
焦げのひどいところをカットするとプルプルのカニクリームが目に飛び込んでくる真新しいビジュアルの料理に。
さらにコロッケは第二陣として、表面のパン粉にカレー粉を振りかけてスパイスのアクセントをつける。初回の反省を活かして、缶ビールを飲み切ってから揚げたのでわりときれいに仕上がった。
最後にカキフライ。こちらもコロッケ揚げで調理時間の感覚をつかみ、ほどよい色合いに揚がった。こちらも二組にわけてそのままと、もう一つは乾燥ディルを振った。
合わせたワインはイタリア3種、スペイン1種。
ピッチーニ, ヴェネツィアン ドレス, プロセッコ DOC, イタリア, グレーラ, 2,479円
Piccini, Prosecco DOC, Italy
香りにはフレッシュなリンゴ、青リンゴ、ほのかに洋梨、白桃、微かにほしわらやヴェジェタルなスパイシーなタッチが香る。
風味にはみずみずしい凝縮感のフレッシュな果実味、酸味は中庸、微かに残糖を感じるチャーミングな風味のチューニング、余韻には微かにビターネス、シンプルな印象だがプロセッコらしいカジュアルな魅力をしっかり体感でき且つ余韻はしっかりとドライ。
キャベツのツナサラダのツナのオイリーな触感に、泡の刺激が心地よい。相性: ★★★★☆
カニクリームコロッケのクリスピーな衣と中身のクリーミーな食感にも泡の刺激と程よい果実味がよく合う。ワインのほのかな残糖は旨味とコクを感じるカニクリームの風味によく寄り添う。相性: ★★★★☆
サーラガト, ヴェルメンティーノ, イゾラ・デイ・ヌラーギ, アッツェイ, 1,672円
Saragat、Vermentino, Isola Dei Naraghi IGT, Italy, 2020
香りにはグレープフルーツ、ピンクグレープフルーツフルーツ、オレンジピール、グァバなどの果実香、フレッシュで目の覚めるような快活な柑橘香、微かに柑橘果皮のビターなニュアンス、潮の香りも。
風味にはやや軽快な果実味の凝縮感、酸味を心地よく際立たせる。余韻までフレッシュでドライ、フィニッシュにはミネラルや柔らかいビターネス、軽快、快活、フレッシュ。鼻腔を抜ける磯の香りがワンポイント。
キャベツのツナサラダのツナの旨味にワインの潮の香りが重なる。快活な柑橘香はキャベツに絞ったレモンのように作用してサラダの完成度を引き上げてくれる。相性: ★★★★☆
カニクリームコロッケのクリーミーな食感をワインの柑橘香が心地よく引き締めるがややワインが圧されるか。相性: ★★★☆☆
カキフライにもワインの潮の香りと柑橘香が心地よく重なる。相性: ★★★☆☆
サンターディ ヴィッラ ソライス 2020, ヴェルメンティーノ イタリア, 2,244円
Santadi, Villa Solais, Italy
香りにはグレープフルーツ、ライムなどの青い柑橘果皮、青いマンゴーの皮、磯の香りは非常に明快に、海水に浸かった貝殻をかいでるかのよう。
風味にはやや軽快な果実味、酸味は中庸ながら果実味をしっかりと統制、余韻にかけて柑橘果皮のようなビターなタッチを強めに。
キャベツのツナサラダとの相性は悪くないが、この前のプロセッコと軽めのヴェルメンティーノとの相性に比較すると、オイリーなツナの食感にハリのあるパワフルな柑橘香が少々ぶつかるような感覚をわずかに。相性: ★★★☆☆
カニクリームコロッケのクリームが絡んだ蟹の旨味には、ワインのやや強めでハリのある柑橘香がほどよくバランス。相性: ★★★★☆
カキフライにはディルマヨネーズを添えて、ワインの柑橘香に寄せてみた。カキの磯の香りにワインの潮の香りが絶妙に調和。その余韻にディルのハーバルなタッチとワインのライム系の青みを含んだ柑橘香も重なり、アタックからフィニッシュまで素晴らしい調和。相性: ★★★★☆
ボデガス・ヒメネス・スピノラ, エクセプショナル ハーヴェスト, スペイン, 2,618円
Bodegas Ximenez-Spinola S.A., Exceptional Harvest, 2020
琥珀がかった落ち着いた色調。
香りにはアプリコットリキュール、杏露酒、シードル、アップルビネガーなどの酸化的なニュアンス、奥にはアカシア蜂蜜、ハーブキャンディも。潮風やほのかに干しアミエビの香りを微かに。
風味は非常に厚みのある酒躯、こぎみよく明瞭な酸味、ねっとりとした質感で非常に力強い余韻、フィニッシュには磯の香りもほのかに。
カレー粉を振って揚げたカニクリームコロッケに。クリーミーな風味が香辛料で抑揚がつき口内はコクとスパイスがうねる。そこに力強いリキュールのような質感と強力な酸味を備えたワインがしっかりと渡り合い、且つ高め合う。相性: ★★★★☆
カキフライの磯の香りにワインの潮風が重なる。ソースでカキフライの風味に少々アクセントを付けると、ワインの明瞭な酸味との重なりがさらに良くなった。相性: ★★★★☆
カレー粉を振った揚げたカニクリームコロッケ、ディルを振って揚げてソースで合わせたカキフライに、シェリーの香りを伴うペドロ・ヒメネス品種で造られたスペインのボダガス・ヒメネス・スピノラのワインとの相性が強く印象に残った。この半シェリー的なワインは少々強めの磯の香りやスパイスとの相性が抜群だ。
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