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ヒラメの昆布締め イタリア ラツィオ州3種のブドウのフラスカーティの最強相性

ヒラメとヒラマサを昆布締めに。昆布の香り漂うお魚に白ワインを合わせよう。
ヒラメは単品の刺身で購入、ヒラマサは盛り合わせセットにマグロ、イカ、つぶ貝、サーモンと一緒に入っていたのをピックアップした。ほかの魚は刺身のままでいただいた。

ヒラマサは白身と赤身の中間のような色合いをしている。調べてみると生物分類上は、スズキ目アジ科の仲間で赤身魚、これはブリ、カンパチも同様で白身魚ではなく赤身魚とされるが、漁業業界では白身と言われるのが一般的のようだ。一般的に赤身魚はマグロ・カツオのように泳ぎ続けないと死んでしまう魚で、身の血合いが多い。赤さはヘモグロビンなどで活動の源になる。
昆布締めの調理は前日から柵を昆布で包むべきところ、横着をして食べる前にさっと小一時間、刺身状になって表面積が大きくなったものを昆布に接着させる。皿のうえで昆布に載せた状態で提供し、口に運ばれるギリギリまで昆布の風味を魚に伝える横着取り戻し作戦だ笑

先日も鯛の昆布締めでは時短の横着を笑

合わせたワインはイタリアワイン3種。イタリア ロンバルディア州でピノ・ノワール100%で造られるスプマンテ、イタリア サルディーニャ島のヴェルメンティーノ品種、イタリア ラツィオ州の3種のブドウブレンドしたフラスカーティ。

ヒラメの昆布締めから。
ヴァンジーニ, ピノ・ネロ, スプマンテ, エクストラ・ドライ、2,109円
Vanzini, Pinot Nero, Spumante Extra Dry

ピノ・ネロ、つまり黒ブドウのピノ・ノワール100%で造られるワイン。ロンバルディア州の南、オルトレポ・パヴェーゼの標高約300~400mの畑で栽培されたブドウを使用。
香りにはリンゴのコンポートをほのかに軽快に、干し藁のようなスパイシーなヒントは温度が上がるにつれ強まる、黄色い花、控えめなボリューム。
風味には黒ブドウらしい密度のある質感と充実の飲みごたえ、シャープな酸味、中盤からじわじわとほろ苦いタッチ、余韻にはまったり、クリーミーな厚みも。
ヒラメの昆布締めに。鯛の磯の香りと軽快な脂、昆布の穏やかな旨味にワインの泡の刺激と充実の果実味が調和。相性: ★★★☆☆

ジュゼッペ・ガッバス, マンザニーレ, 2019, ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ , イタリア, 2,464円
GIUSEPPE GABBAS, Manzanile

「マンザニーレ」とは「早朝」という意味の言葉。元々は自家消費用として造っていたワインをお客のリクエストにより商品化。生産量は僅か5,000本。
香りにはグレープフルーツ、ライムの青いニュアンスも微かに、果実香はやや控えめ、グラスを回すと潮の香りがふわりと広がる。
風味にはみずみずしい口あたり、中庸ながらしっかりとワインを引き締める酸味でワインには緩さはない、グリップとほのかな渋みとビターネス、余韻にヨードが明瞭で岩塩を舐めた後のよう。
ヒラメの昆布締めに。ワインの磯の香りは昆布の香りとしっかり調和。生姜を少し添えるとワインの柑橘の香りとの繋がりが良くなり更に相性は向上した。相性: ★★★★。

ポッジョ レ ヴォルピ, エポス, フラスカーティー・スーペリオーレ セッコ, 2,079円
Poggio Le Volpi, "Epos" Frascati Superior, Secco DOCG

西はティレニア海、東はアペニン山脈に挟まれたラツィオ州で造られるワイン。マルヴァジア・ディ・カンディア、マルヴァジア・ディ・ラツィオ、トレッビアーノの3種のブドウをブレンド。
香りには干しわらの香り強くドライハーブのタッチ、グレープフルーツ、蜜漬けカリン、白い花、ボリュームは中か中のやや強、全体的にややヴェジェタル、潮の香りも。
風味はみずみずしい口当たり、トップからドライで渋み、ビターネス強め、酸化的なニュアンスをほのかに含み酸味はややはっきり感じる、塩味が心地よいアクセント。ヴェジェタルなニュアンスが強めでやや気難しさもある。
ヒラメはの昆布締めに。ワインの潮の香りとどこ干しワラのようなヴェジェタルなニュアンスが昆布の香りに絶妙に調和。ワインの果実味はやや穏やかで塩味などが感じられ、それが鯛の穏やかな風味のボリュームともバランス。フラスカーティに鯛の昆布締めがここまで相性が良いとは驚きの発見。相性: ★★★★★

続いて、ヒラマサの昆布締めに。
先に言っておくが、これは私の料理の失敗だった。ヒラマサは一般的には白身として取り扱われるが、本質的には血合いの多い赤身だ。この赤身と昆布の植物的な香りが真正面から反発して最悪な料理となってしまった。赤身を昆布締めにするのは絶対にやめましょう(言い訳をするとヒラマサは見た目が白身っぽく見えてしまった笑)。

ヴァンジーニ, ピノ・ネロ, スプマンテ, エクストラ・ドライ、2,109円
Vanzini, Pinot Nero, Spumante Extra Dry

上述のロンバルディア州のピノ・ノワール100%で造られるワイン。
ワインの泡の刺激と生姜を添えて何とかやり過ごしたが、やはり赤身と昆布のぶつかりによる臭みは消しきれない。相性: ★★★☆☆

ジュゼッペ・ガッバス, マンザニーレ, 2019, ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ , イタリア, 2,464円
GIUSEPPE GABBAS, Manzanile

上述のサルディーニャ島のヴェルメンティーノ品種のワイン。
こちらも料理の赤身と昆布の喧嘩の臭みの中でワインも仲介できず。相性: ★★☆☆☆

ポッジョ レ ヴォルピ, エポス, フラスカーティー・スーペリオーレ セッコ, 2,079円
Poggio Le Volpi, "Epos" Frascati Superior, Secco DOCG

上述のラツィオ州で3種のブドウのブレンドで造られるフラスカーティ。
こちらは料理の喧嘩の火に更に脂を注いでしまい、臭みが増長した。相性: ★☆☆☆☆

血合いの入った魚は昆布締めにすると失敗、一方で、フラスカーティの干しわらっぽい香りと潮の香りが昆布締めに絶妙に調和するとは大発見、大成功だった。

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