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鮭・鱒・鯖の三種のサンドイッチ 潮風香るヴェルディッキオ

シーフードとワインの相性の探求を続けてしばらく、幅広い魚介、味付けに間違いのない品種と言えばイタリアのヴェルディッキオ品種、ヴェルメンティーノ品種、スペイン・ポルトガルのアルバリーニョ品種、そして日本の甲州品種の4つ。安心感抜群だと再認識した。魚介をよく消費するギリシャ、クロアチアなどの興味深い土着品種も相性良い。これらの品種で造られるワインは、小売価格で1,000円台、2,000円台で買えるものも多く、コストパフォーマンスが素晴らしい。漁村で地元民が合わせる類のワインはこういう価格帯だ。こういう探求も楽しい。
鮭、鱒、鯖の3種のサンドイッチにイタリアのヴェルディッキオ品種のワインを合わせてみた。

生産者はイタリア マルケ州のサルタレッリ。マルケ州は南北に長いイタリアの中部の東側、アドリア海沿岸に位置する。生産量の60%は地元で量り売りされる。強い圧力をかけずに得られるファーストプレス (一番搾り) を優先的に商品に回し、ファーストプレス以外のワインをカジュアルに楽しめるものとして地元で売っているようだ。また、通常は育てやすい3種のクローンからヴェルディッキオのワインは造られるが、この造り手は36種類のクローンを畑に混植しワインに複雑味を与える。クローンは挿し木や取り木で増殖させたブドウの樹のことで、種から育てるのと異なり、同じクローンではほぼ同じ特性を持つ。

サルタレッリ、ヴェルディッキオ・ディ・カステリ・ディ・イエジ・クラシコ 1,759円
SARTARELLI, Verdicchio dei Castelli di Jesi Classico, Italy
微かにグリーンがかったレモンイエロー。
青リンゴ、白桃がトップに、続いてグレープフルーツの柑橘に微かに柑橘の果皮や玉ねぎの皮などが心地よいアクセントに感じる程度に折り込まれている、また潮の香りとスモーキーなニュアンスを微かに。
みずみずしく明るい果実味には的確なバランスの酸味、微かな塩味は心地よいアクセント、余韻にほろ苦さと果実味の軽快な甘みあり購入価格からは想像できない素晴らしい充実のフィニッシュ。

ワインをサンドイッチに合わせていく。

スモークサーモンのサンドイッチに。少し温度が上がりまったりとしたサーモンの脂に、ワインの塩味とおおらかな柑橘や青リンゴを思わせる香りが見事に調和。
相性: ★★★★☆

マス(鱒)の燻製のサンドイッチに (ホテルの英文メニューではSmoked trout) 。鱒の軽やかなスモーク感と、魚肉の旨味、上品な脂に、ワインの明るい果実味と塩味が調和。
相性: ★★★☆☆

鯖の燻製コショウ風味のサンドイッチに (ホテルの英文メニューではSmoked peppered Mackerel) 。燻製香と胡椒がやや強く、鯖の青魚特有のクセや臭いを目立たせている印象。とはいえ料理単体としては鯖の個性を楽しめる。一方でそこにワインの果実味が入ると風味のバランスが崩れてチグハグになり、余韻には青魚特有の風味にワインの果実味が反発し微かにだが魚肉の臭みが虚しく残る。なかなかワイン選びが難しい料理だが、料理の薫香、青魚の風味に、樽がやや効いたヴェルメンティーノ品種のワインを合わせてみたい。
相性: ★★☆☆☆

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