椎茸えび詰めフライに熟成ボルドーの深淵な世界

スーパーのお惣菜コーナーで見つけた椎茸えび詰めフライ。2つ入りで160円。スーパーにも気の利いたこういうおつまみがあり、酒飲みには嬉しい。

セラーに開栓済みの熟成ボルドーがあったので合わせてみよう。椎茸の奥ゆかしさ、旨み、土の香りがきっと熟成ワインの妙味に調和するはず。

シャトー・ベル・オルム・トロンコワ・ド・ラランド, 2011, 2,849円
Chateau Bel Orme Tronquoy de Lalande

成城石井で13年熟成のボルドーが3,000円未満で。格付2級のローザン・ガシーが所有し、サン・テステフに隣接する村にあるクリュ・ブルジョワ級シャトー。
メルロー60%、カベルネ・ソーヴィニヨン35%、カベルネ・フラン5%。
コアにはほんのりと黒み、全体にブルゴーニュのような明るい色調。
香りにはドライフルーツやチェリーリキュール、落ち着きながらキュッと凝縮感を持った果実香、ほんのりとヴェジェタルなフレーバー、大樽かバニラはおおらか、バランスよく上品で品格のあるフレーバー。
やや緻密、良い熟成を経て果実味は穏やか、酸味も穏やか、タンニンのカドは取れしっとりと当たりそれでいてじっとり残る、かすかに垢抜けなさは残るがボルドーの品格を感じられ、熟成の妙を感じられる。
(90/100)(3月1日)

椎茸えび詰めフライにワインを合わせる。椎茸のプリプリの弾力、フライになって凝縮した風味からしたたる甘み、そしてソースの甘辛。エビの存在はやや隠れるが料理にほんのりと磯香、椎茸とは異なるベクトルの旨みを与える。熟成したワインの果実味以外の複雑なフレーバー、土や森の香りに、椎茸のフレーバーが絶妙にシンクロ。エビの風味はやはり圧倒されてしまうが。相性: ★★★★☆

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