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じっくりと、体に染み渡らせたい本の話
何かと理由をつけては図書館に行き、何冊も本を借りてくるのが好きだった。買ったもののまだ読んでいない本が家にあっても、ずらりと並んだ本の中から「おもしろそう!」な本を持って帰ることにわくわくするから。
フリーランスからパラレルワーカーに変わり、週5で出勤するようになっても、休みのたびに(時には仕事帰りに)図書館に寄っては本をどっさり持ち帰っていた。
だけど、だんだん読めずに返す本が多くなっていって。単純に時間が足りないし、新しく始めた仕事のことで頭がいっぱいで、読書に割く頭の容量が残らない。突然の目の手術で、文字が読みづらくなったってのもあるかもしれない。図書館に寄る口実になっていた、毎週末の娘の習い事の送り迎えを夫にバトンタッチしたのも一因だと思う。
とにかく、本をどっさり借りてくることをしなくなった。
そのかわりに、じっくりと選別した本をたまに買って、何度も読み返すようになった。
仕事帰りに駅ナカの本屋に寄って、気になった本を何日も眺めて「やっぱり読みたい」と思って買う。SNSで話題になっていて、頭の隅に引っかかっていた本を本屋で見かけて「あ、これ読みたかったやつ」と思って買う。ときには、ライティングスクール仲間が出版した本を買うことも。
そんなふうにして私の手元にやってきた本の中で、ここのところ毎晩寝る前に読んでいる本がある。何度も読んでいるけれど、飽きない。というか、何度も読んで体に染み渡らせたい、そんな本。そんな『北欧時間』の話をちょっとしたい。
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『北欧時間』はデンマークで暮らす著者が、その地で学んだ「自分らしく生きるコツ」を、現地のエピソードとともに説く本。
私は自己啓発本も好きなので、今までにたくさん「自分らしく生きる」的なテーマの本を読んできた。だから私にとって真新しいアイデアばかりが紹介されているわけではないのだけど、なんでこんなに何度も読みたくなるんだろうと不思議で。
何度も読みながら、なんとなくその理由が見えてきた気がするので、ちょっとまとめるね。
・文章がすとんと入ってくる
・北欧の人々のエピソードが新鮮
・北欧の美しい写真がたっぷり
シンプルだけどほんのりユーモアを感じる文章も、やさしい色使いで切り取られた写真の数々も、なんかマイナスイオンでも出てんのかなってくらい、すっと体に入ってくる。その時間を味わいたくて、私は毎晩この本を手に取るんだな、きっと。
特に、仕事のことで頭がいっぱいの平日の夜は、デンマーク流仕事術が身に染みる。どうしたってオンオフの切り替えが苦手な私に、「起きていないことを心配しない」や「シングルタスク」が効くのです。
北欧で暮らしているからできるんでしょ、じゃなくて、自分のいまの暮らしでいかに心地よい時間を作るか。その指針にしたい一冊だなと感じたとき、「今いる場所で豊かに暮らす」をテーマの発信がしたいなとふと思って、気がついたら新しいInstagramのアカウントを作っていました。
日々のストレスが浄化されると、活力も沸いてくるみたい。寝る前のほんのちょっとの時間に、数ページの読書で英気を養う。しばらくはそんな日が続きそう。
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