【声門閉鎖vs呼吸筋群】「高音の支え方」の全体像をONEOKROCKで考える!
全国区のボイストレーナーイチです。本日は体で声を支える方法についてお話していこうと思います。
そうですね。言い換えるならそうなります。
ですがYoutube動画やほとんどのボイトレ教室ではミックスボイスばかりが先行してしまい、ここを丹念に行なってくれる環境というのはほとんどありません。
なのでほとんどの人が弱い分野であり、できてない技術。これが呼気と声帯のバランス調整になります。
もしあなたの高音発声、普段の発声が
・安心して声を張れない。張ると力む
・普段から声や体が緊張し、揺れやすい
・ミックスボイスの発声にムラがある
・腹式呼吸や支えについて正直よくわかっていない
のであれば、大きく飛躍する内容に「必ず」なります。そして今回お伝えする体の支えの作り方が体現できれば、
・声の不安定感・過緊張が消えていく。
・余裕を持って最後まで歌いきれるようになる
・ミックスボイスの体力、維持力が増加する
・発声の根本強化に繋がる。素人レベルを卒業できる
・発声レベルが初級→一気に中級以上になる
といったメリットづくしですので、必ず知る→できるように落とし込んでください。今のうちにグッドとフォローもよろしくお願いします♪
それでは本題いきましょう!
【声の支え方は「2つ」しかない】
あなたに質問です!声を支える場所は2つしかないのですが、どことどこでしょうか⁉︎
ボイトレやってる人に多いんですが、だいたい伸び悩んでる人というのは
①知識や仕組みの解像度が低い
→トレーニングメニューにどんな効果があるのかをわかってないまま練習している
②ノウハウコレクターになっている
→「わかる」から「できる」の間の差を埋める前に別の練習を行なってしまっている。
のどちらかに所属してしまっているんです。
といってもいきなり知ったことができるようにはならないので、まずは正しい知識や全体像を見れるようになって欲しいのですが、
まずは今やってる練習が【自分にとってはどんな意味があって何が目的なの?】と考える癖をつけてください。
僕はここを探究していく延長だけでワンオクロックが原曲キーで楽に歌えるようになれました。自慢ではなく、考えることは本当に大事なんです。
【正解は“体内圧”と“声帯”】
ではでは正解を発表します。
1つは体内圧、1つは声帯です。
①体内圧とは、
「吸気群によって横隔膜が広がり入った声門下圧」
=世間でいう吸った息を止めたまま声を出す
②声帯で支えるとは、
「声門閉鎖によって呼気をせきとめ、息漏れを防ぐこと」
=世間でいう声帯閉鎖、強い声、地声系の筋肉
簡単にまとめるなら、「喉」か「体」かということです。ここだけでも暗記してしまってください。
【現状→喉と体の相性を全く知らない】
2024年のボイトレ界では現状、「体内圧を伴った声帯で支えられる体感」をわかっている人がかなり少ない傾向にあります。
ミックスボイス=喉側の分野であり、そこが発声のすべてだと勘違いしてる人が増え続けているからです。
そうなんです。そもそも声門閉鎖は強い圧力と共に反応するものなので、一定の吸気量と声門下圧が必要になります。なのでファーストステップはこの声門下圧と声門のバランスが取れたいわゆる空気をキープしたまま出せる発声が非常に重要となってくる。
ちなみに体の支えと喉の支えの相性が良い人にはこんな特徴があります。
①声を揺らした時に楽に出る
ロングトーンが得意になったり、発声がまっすぐぶれなくなったり。
必要以上のアンザッツの訓練をしなくとも高音発声も可能に。
②喉の支えを強めても痛みにくい
声帯閉鎖の芯や仮声帯などが楽に声に入れられる。バランス悪くても引っ張れる。
ちなみに喉>体になっていて相性を合わせられてないの人の場合は声をまっすぐ張れなかったり、前に押したような強い話し声のような声質になります。
一方で体>喉の人の場合、相性を合わせるのではなくただ呼吸を深くしているだけなので声門閉鎖との相性が良くならず、声がすぐに裏声寄りになってしまったり、閉鎖が外れて地声が弱々しくなったりこれまた声に変化が見込めません。
こちらのライブ映像で見ると体内圧と喉の支え、相性が良い上で喉側にブーストがかかっているのがわかるかと思います。基本的にONEOKROCKの楽曲は体内圧と声帯の支えとバランスが両方操作できないと歌えません。
歌唱は1分45秒あたりから始まりますが、2分6秒あたり付近、「Push Back」で一気に声がガラッと強くなったと思います。
これが体内圧-喉が50:50の均衡状態から
仮声帯や声帯閉鎖による「声帯の支え」の割合を強くした状態です。
その他にも
冒頭1分45秒から2分6秒まで→体:喉=50:50の状態
2分21秒のロングトーン→声帯で支える割合を強くした状態
2分32秒のロングトーン→声帯で支える割合を強くした状態
いずれも体vs喉=50:50を基本として、見せたいところで喉で支える割合を増やしているのがわかるかと思います。
そして大前提として、これらはボイストレーニングで両方強化する必要があることを覚えておいてください。
どちらかを鍛えて磨くだけでも声の出しやすさが大きく変わるはずですが、両方を鍛えることで確実に上達を実感できるようになります。
【体内圧を鍛える方法】
以上を踏まえまして、体支えに必須な空気ホールドの方法を紹介します♪
①肋間筋&肩甲骨を広げる
②呼気Su-をアッポッジョで吐けるようにする
③呼気時に腹横筋、骨盤、背中の支えを体感する
①肋間筋&肩甲骨を広げる
1つ目は吸気拡大の練習です。
肋間筋、肩甲骨に関してはYoutubeにもたくさんストレッチ方法が上がっていると思いますのでそちらを参考にしてみてください。
「肺活量を上げる方法」「肩甲骨ストレッチ」で検索するといいでしょう。
ちなみにブログなので優しく書いてますが、これらはまじでやった方がいいです。まじでやり続けてください。僕はこれで声の力みがなくなりました。
②呼気Su-をアッポッジョで吐けるようにする
こちらも「アッポッジョ」と検索してもらって、まずはそういうスキルが必要なんだと知ることから始めてみてください。僕はこれをボイトレを始めた9年前から知っておけば・・と後悔しています笑
アッポッジョとは簡単にいうと、空気を吸って広がった肺を、息を吐く際に素早く縮めることなく維持しながら発声することです。
ふつうに生活しているだけでは、息を吸って吐けば肺が縮むスピードが早くなり吐ききってしまうと思います。
つまりアッポッジョは息を吐く量をコントロールするためのスキルなのです。こちらについては声楽に関する内容なので、詳しくは声楽家さんのブログやレッスンに行くのがオススメです。
③呼気時に「腹横筋、骨盤、背中の支え」を体感する
最後は呼気(息を吐いた時、発声した時)のお話です。
呼気を出した際、体の内圧は保たれたまま、内側から外側に向けて呼気を支えるような体感が入ってきます。(これはボイトレを重ねた人にしかわからない、人体の連携プレーによる感覚です)
【まとめ】
3つ難しく感じてしまったあなたのためにまとめると
①肩甲骨周囲の柔軟性を広げ、
②呼気を一定に吐ける土台を作り
③呼気時に体が支えてくれるため、
④息(声)を安心してまっすぐ出せる
これが体で支えることの全体像であり、
そこに声門閉鎖との相性(バランス)から始まり、
②ミックスボイス(柔軟な喉)
③仮声帯などの喉のサポート
といった「喉で支える」が組み合わさることで、歌声の質が形成されていきます。
この土台のどこかが弱いと、必ず別の筋肉がそれを補おうと動き、不安定な支え方や力み、震えに繋がってしまうのです。
歌はさまざまなスキルの複合体ですから、悩んでいる暇がもったいないですよ。今すぐトレーニングにかかりましょう!
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