東野圭吾作品②「ナミヤ雑貨店の奇蹟」
東野圭吾作品「ナミヤ雑貨店の奇蹟」を紹介します。
(②とありますが読んだ順ではない)
⚠️以降ネタバレ含みます。
あらすじ
感想
この作品は過去と現在を結ぶタイムスリップ作品。
ここの「ナミヤ雑貨店」は既に閉店されていて誰も住んでないが、郵便ポストから突然手紙が投函される。
そして、玄関脇にある牛乳箱へ手紙を入れると過去へと届く。
この雑貨店の中だけ異空間で時間の流れがかなりゆっくりしている。
ちょっとSF作品でパラドックスになっている。
主人公は3人の若者、敦也・翔太・幸平。20代くらいかな。
普段、まともに仕事もせず、色々と悪事を働いている。
この日も盗んだ車で「ナミヤ雑貨店」に辿り着いた。
3人の内、敦也はリーダー格でちょっと短期で面倒くさがりの性格で、あと2人は敦也とは正反対。だが3人は仲が良い。
当然、こんな物語は現実には存在しない。
だが、もしあったら、あなただったら、どうするだろうか・・・
私自身は、人の手紙だから読まずに置いとくか…
白ヤギだったら読まずに食べた・・・(笑)
この3人は色々と文句(特に敦也)を言いながらも、ちゃんと手紙に回答しているのは根は真面目な性格なのかな。
相手が誰なのかも分からず。
当然、送られた相手は、送った相手が店主の浪矢雄治だと思い込んでいる。
店主の浪矢雄治は、子供たちの口げんかがきっかけで、遊び半分でこの手紙を書いて店の前に貼り出したが、噂を聞いた大人たちが真剣な悩み相談の手紙を書いた。
これに対して、浪矢雄治はどんな些細な相談内容でもちゃんと読み、真摯に回答している。
浪矢雄治はとても心優しい方。
ここまでする理由は、ある児童養護施設が関係している。
現在の若者3人もちゃんと回答している事も凄い。
回答が終わり家を出ようとしたら次の手紙が・・・
出られないじゃないか。
無視して出れば良いんだけど・・・
果たしてどうするのだろう・・・
こういうタイムパラドックスの不思議な世界観を書ける東野圭吾さんは凄いですね。
ここで、2点気になった所を抜粋します。
第四章で、この雑貨店の近所に住む少年が、自分のとこの家庭が大変な状況になっていて、それを雑貨店店主に悩み相談の手紙を出した浪矢雄治からの回答の一部。
生まれた時からずっと一緒だから切っても切り離せない存在。もちろん、家族以外も大事だが。
途中から知り合った人で嫌なら離れても良いと思うが、家族はそういう訳にはいかない。
人それぞれ色々事情はあるが、やはり大事な存在なんですね。
もう1点を抜粋。
物語の最後の方で、若者3人が白紙の手紙を郵便口から投入した事に対して、(白紙の手紙を出したことに対しては特に意図はない)
この何も書かれてない内容にも浪矢雄治はちゃんと回答している。
なるほど、そういう解釈なのか。
白紙だからなんでも書けますね。
どういう捉え方でも良い。
浪矢雄治は、今まで色々苦労してたんですね。
だから、色んな相談内容(時には子供からのどうでもいい内容)も真摯に回答する。
なかなか同じ真似は出来ないが、こういう心や感謝の気持ちを大事にしていきたいですね。
日々の毎日で同じ事を繰り返してると、
それが当たり前になってるから、
なかなか言えない感謝の気持ち「ありがとう」を。
大事ですね。
この物語でも悩み相談の回答を貰った人たちが次々とお礼の手紙を書いている。
3人の若者に対しても。
この物語のキーポイントは、
不思議な空間・ナミヤ雑貨店の過去との手紙のやり取り。
浪矢雄治の過去。
3人の若者の心情の変化。
過去と現在を繋ぐ感動ストーリーです。
是非、興味あれば、読んで下さい。
因みに、ナミヤ雑貨店の奇蹟は、2017年に映画で公開されました。
主演は、敦也役のHey! Say! JUMP・山田涼介さん、翔太役は村上虹郎さん、幸平役は寛一郎さん、店主の浪矢雄役は西田敏行さん、その息子の浪矢貴之役は萩原聖人さん、以下割愛します。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。