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【製本記】 小川未明童話集

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『小川未明童話集』(小川未明)丸背上製・布装ができるまで。
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記事一覧

【製本記】 小川未明童話集 07 | 丸背上製・布装ができました!

文庫を改装した『小川未明童話集』が完成した。いつものように製本様式や製本材料について記録…

【製本記】 小川未明童話集 06 | つなぎめの物語

型染めしたブッククロスが乾いたら、ついに最終工程、表紙貼りだ。板紙をくるみ、溝を入れ、見…

【製本記】 小川未明童話集 05 | 石と鱗粉

本文が仕上がったところで、表紙に取りかかる。『小川未明童話集』の表紙は、布貼りにしようと…

【製本記】 小川未明童話集 04 | 未明の調べ

糸かがりした『小川未明童話集』の背に薄く糊を塗り、ヘラで均して仮固めする。糊が乾いたら平…

【製本記】 小川未明童話集 03 | 無口な道具が語るとき

和紙でつないだ『小川未明童話集』を糸でかがる。一口に「糸かがり」といってもさまざまあるが…

【製本記】 小川未明童話集 02 | 自分という穴ぼこ

解体した『小川未明童話集』を、再び組み立てる。ページとページを和紙で貼りつなぎ、二つ折り…

【製本記】 小川未明童話集 01 | 見上げれば、白い山稜

文庫本の改装は、製本をする人の多くが試みることだ。だいたいは表紙をハードカバーに仕立て直すというもので、それだけでも特別な一冊になる。しかし、今回は糊で固められた本文を解き、糸でかがるところからやろう。できあがってしまえば見えない部分だけれど、あえてそこからはじめたい。 選んだのは、岩波文庫の『小川未明童話集』だ。ジャケットを外し、本体表紙を剥がす。そこからさらに本文を剥がすのだが、レポート用紙をさっと剥ぐようにはいかず、ページを傷めないように1枚ずつ。すると「アジロ綴じ」