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丹田呼吸法で「胆力モード」を発動させよう

◇はじめに

あがり症のお客さんが来ました。大勢の人の前で話す機会が増えたそうで、緊張し過ぎてしまい、心臓がバクバクして困っているとのこと。
本番に強いタイプとそうでないタイプの違いはなんなのだろうと考えました。

頭に浮かんだのが"丹田"です。
本番に強いタイプは、ドーンと構えている印象です。意識の置きどころが"丹田"にあると推測しました。
また、ぐるぐる思考で悩んでいたお客さんに「丹田呼吸法」を勧めたところ、コロッと改善した症例があります。

今回は、誰にでもできる胆力をアップさせる話です。メンタル面も向上します。

◇考えても仕方がないことを考えてしまう

心配性の女性客と話をしているとよく聞くのが、
「そんな考えても仕方がないことアレコレ考えてもしょうがないだろう」
とパートナーに言われるという話。

そんなパートナーのような人は、「クヨクヨ考える人」の気持ちがわからないものです。無駄な思考はエネルギーを消費するということを知っていて、考えないことを実践できるからです(考えるのが面倒だから考えないという可能性もあり)。
一方、心配性の人は、予期できないことに対して準備をできるだけしておきたいがために思考に頼るのではないかと思います。

「考えても仕方がないことを考えてしまう」状態は、ぐるぐる思考(反芻思考)と呼ばれます。エンドレスに思考するので脳がバテます。
「わかっちゃいるけどやめられない」のが難しいところです。

◇「胆力モード」と「思考モード」

ここで、考えないことを実践できる状態を「胆力モード」、思考だけに頼ってしまう状態を「思考モード」と呼ぶことにします。

どちらがいいとか悪いとかではないです。そして、状況に合わせてどちらも使えるようになるのがベストだと思います。

ここで問題にしたいのが、「思考モード」ばかりで「胆力モード」に切り替わらないタイプの人です。
胆力の使い方がわからないのかもしれないし、胆力が弱い可能性もあります。
そもそも、胆力とはなんでしょうか?

◇胆力とは

「胆力がある人」とか「肝っ玉が据わった人」というとどういう人をイメージしますか。
どっしり構えていて、どんな時でも落ち着いている雰囲気のある人かと思います。
精神的に安定している感じです。

一方、「胆力がない人」のイメージはどうでしょうか。
オドオドしていて自信がないような雰囲気を醸し出していると思います。
浮き足立っていて、意識がうわついている感じです。

その胆力を鍛えるための方法が、「丹田呼吸法」です。
丹田とは、へその下の下腹部のエリアのことをいいます。
武道をやっていた人などは丹田に意識を集中させることを指導されたことがあるはずです。
敵が目の前にいたときに、焦って頭でアレコレ考えていたら、あっという間に倒されてしまいます。丹田に意識を置いておくと、感覚を鋭敏に保ちつつ素早く動けるようになるのでしょう。

そして、ここでの胆力の定義は「丹田に意識を集中させ続ける力」です。
ドラゴンボールのかめはめ波をイメージしてみて下さい。手というエリアに光のエネルギーの玉を集めています。
胆力は「丹田というエリアに意識のエネルギーを集める力」ということ。光の玉は意識です。

意識がお腹に集中すれば、頭に意識が廻らなくなります。ぐるぐる思考から脱することができるというわけです。

◇昼食後に眠くなる

「胆力モード」で思考が止まることを血流からも考えてみます。
学生の頃、昼食後に授業で眠くなった経験は皆さんあると思います。
血液は人体に5リットルくらいありますが、状況によって必要な部位に多く集まっていきます。食後だと胃腸で消化する必要があるため、お腹に血液が集まります。その影響で脳への血流が少なくなり、頭がボーッとして眠くなるというメカニズムです。

丹田呼吸法でも、同じようなことが起こっていると推測されます。丹田に意識を集中する呼吸をすることで、下腹部に血液が集まります。そうすると、相対的に脳への血流が少なくなり、頭がボーッとしてしまうのでしょう。

意識を丹田に集中し続けると、不安が頭から離れないぐるぐる思考から抜け出すことができるというわけです。

◇丹田呼吸法のやり方

①鼻から息を吸います(3秒)
②止めます(3秒)
③口から息を吐きながら、お腹を膨らませつつ、丹田に光の玉が練り上げられていくイメージを持ちます(7秒)
・呼吸の間は丹田に意識を集中させつづけます
・丹田の光の玉は、ドラゴンボールの"かめはめ波"のイメージを持つといいでしょう
・これらを10回程度繰り返します
・動画では、吸う3秒・止め3秒・吐く7秒で合計13秒です。これを徐々に4・4・8で16秒、5・5・10で20秒と伸ばしていくとさらに効果がアップします

◇まとめ

「胆力モード」は丹田に意識を集中させ続けるだけです。
理屈では簡単なのですが、日頃から丹田呼吸法で鍛練していないと、いざという時に使えません。
例として、あがり症の人が本番前に「胆力モード」に切り替えられるかどうかなどです。

そして、日常生活で「胆力モード」を実践していきましょう。
「考えても仕方がないこと」が頭に浮かんだときに、「アレコレ考えてもしょうがない」と思い、丹田に意識を集中させる。これを日々の生活の中で粛々と行っていく。
そうしていくと、不安を見て見ぬふりすることが無意識でできるようになっていくのです。不安がなくなるわけではなく、即座に対処していけるようになっていくと思ってください。

ぜひ、丹田を育てて、「胆力モード」を生活の中で活用してみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。
つづく…

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