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歴史事典アーカイブ:閃きをあなたに

歴史学の独立研究者が運営しています。専門家の研究書等を用いて、歴史のより確かな知識と魅力をしっかり紹介します。ウェブ上のコスパよい歴史事典アーカイブの構築を目指しています。月額5…
2024年10月末までに、一挙に50記事を追加します。1つの記事につき、10円という破格です。ぜひ…
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#日本史

(定期購読)津田梅子:明治の開明的な女性のリーダー

 津田梅子は明治から大正の女子教育者(1864―1929)。明治初期、6歳にして岩倉使節とともに海を渡り、11年間、アメリカで留学した。帰国後、女子教育に携わった。再び留学し、帰国後、自律的な女性を育て上げるために女子英学塾を設立した。これが津田塾大学に発展する。さらに、これからみていくように、その活躍は国内にとどまるものではなかった・・・。 津田梅子(つだうめこ)の生涯  津田梅子は江戸で佐倉藩士の家庭に生まれた。父は西洋農学者の津田仙である。  梅子が生まれる少し前、

(定期購読)宮本百合子

 宮本百合子は大正と昭和の小説家(1899―1951)。学生時代に坪内逍遥に見出され、作家デビューし、天才少女ともてはやされた。アメリカ留学を経て結婚し、離婚した。その経験をへて、代表作『伸子』を公刊する。  ソ連に留学し、社会主義に大きな影響を受けた。帰国してプロレタリア文学活動に参加した。時代の荒波に逆らい、窮地に陥りながら、女傑の作家として成長していく。 宮本百合子(みやもとゆりこ)の生涯 宮本百合子は東京で建築家の家庭に生まれた。本名はユリである。父は著名な建築家の

(定期購読)有島武郎

 有島武郎は大正時代の小説家(1878―1923)。アメリカに留学した後、白樺派の主な作家の一人となった。大正時代に作家活動を本格化し、『カインの末裔』や『或る女』などを公刊した。  有島武郎は東京で官僚の家庭に生まれた。父は大蔵省の官吏である。弟には、同じく小説家の里見弴(とん)と画家の有島生馬(いくま)がいる。  父は横浜で税関長をつとめていた。そのため、有島は幼い頃から西欧文化に馴染んだ。ミッション・スクールにも通った。学習院で学んだ後、1896年、北海道に移って、

(定期購読)フランシスコ・ザビエル

 フランシスコ・ザビエルはカトリックの修道士(1506ー1552)。スペインのナバラで生まれた。ロヨラとともにイエズス会の創立メンバーになった。 ザビエル(Francisco Xavier)の生涯  フランシスコ・ザビエルは1506年、スペインで貴族の子として生まれた。1525年、当時の神学教育・研究で最高峰だったパリ大学に留学した。  その時に、ザビエルの運命を決定づける出来事が起こる。すなわち、イグナシオ・デ・ロヨラという人物と出会った。 ※現在、この記事は調整中で

【定期購読】若山牧水

 若山牧水は明治と昭和初期の歌人(1885―1928)。早くから短歌に関心をもち、制作した。20代なかばで歌集『別離』が成功を収め、歌人としての地位を確立した。 若山牧水(わかやまぼくすい)の生涯 若山牧水は宮崎県で医者の家庭に生まれた。本名は繁である。早くから和歌に関心をもち、中学生の頃には短歌を制作し、牧水を名乗った。  歌人としての活躍  1904年、若山は東京に移り、早稲田大学の英文科に入った。すぐに歌人の尾上柴舟(おのえさいしゅう)に師事した。車前草社の同人と

(定期購読) 藤原彰子

 藤原彰子は平安中期の中宮で皇太后(988―1074)。父は藤原道長。一条天皇の中宮の時期には、才色兼備で知られ、紫式部や和泉式部らの優れた女房を従えた。 藤原彰子の生涯:出自と家系  藤原彰子は京都で貴族の家庭に生まれた。父は藤原道長である。母は左大臣の源雅信(みなもとのまさのぶ)の女の倫子(りんし)である。倫子の曽祖父は宇多天皇であり、高貴な血筋だった。彰子は長女として生まれた。両親が20代前半の頃に生まれた。道長はその若さですでに権中納言という高い身分になっていた。