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【源氏⑩】源義経ミラクル連発! そんなのアリ!?な戦術〈源平合戦相関図〉

歴史の面白さを「人物相関図」で分かりやすくお伝えしたいという想いでつくっているnoteです。

今回ご紹介しているのは源頼朝&源義経ブラザーズのシリーズ。

シリーズをまとめたマガジンはコチラ↓


前回の記事では、源義経が源義仲をやっつけて京都に入るまでをご紹介しました。記事はコチラから↓


今回は、義経の日本史に残る伝説の戦いを描いていきます! 
義経さんが圧倒的英雄になりますよー。


義経、崖を馬でドドドドド! 一ノ谷の戦いで大勝利


源義仲 VS 源頼朝の戦いは、源範頼(のりより)&源義経の兄弟(2人とも頼朝の異母弟)の活躍で鎌倉軍団が勝利しました。

源氏同士が潰し合っている間、平氏たちは…。

京都から都落ちした平氏たちですが、その後しっかり西国で力を挽回しつつありました。

平氏が京都奪還の最前基地としたのが福原(今の兵庫県神戸市の南部)。

範頼・義経の兄弟コンビはこの平氏軍をたたき潰すため、京都から軍を向け両軍のバトルとなります。

この戦いが「一ノ谷の戦い」ですッ!

崖から馬で駆け降りる義経軍団

源氏軍は範頼チームと義経チームで別れて攻撃を仕掛けることになりますが、平氏軍が陣をしいている「一ノ谷」は海に面しており、背後が断崖絶壁の山。

守っている平氏サイドにとっては鉄壁ガードな陣地です。

攻める源氏側からすると「めっちゃ攻めにくい」場所といえるでしょう。

ですが、ここで義経サプライズが炸裂ッッ

断崖絶壁を馬で駆け降りる、というクレイジー戦術を発動させます

平氏が「裏の崖からはこないっしょ」と油断していた背後。
義経はそこに勝機を見出しました。

誰も思いもしない崖からの攻撃。

義経は考えました。

「この崖を降りて背後から討てば絶対に勝てるな……よし、GO!」

僕は正直、義経の部下にはなりたくないな、と思ってしまいますw

義経の部下たちは「崖を馬で降りるぞ」って言われて、


え????
まじ??????

って思ったでしょうねw

でも、この戦術がドはまりして、背後を突かれた平氏は大混乱。

「一ノ谷の戦い」は源氏軍の大勝利となります。

これが日本史上、超有名な「義経の鵯越(ひよどりごえ)の逆落とし」
です。

ちなみに、本当に崖から馬で駆け降りたのかどうかは、諸説あるようです。

でも、とにかく源氏軍は義経の大活躍で勝利したのでした。

蹴散らされた平氏軍は屋島(現在の香川県高松市北東部)に逃れます。

義経、京都で大人気 でも頼朝お兄さん怒ってるゾ!

一ノ谷の戦いでミラクル勝利して京都に戻ってきた義経。


キャー 義経さーん!

なんて勇ましい若武者なんだ!

義経マジかっけー! フゥーーー!!


めっちゃ大人気になります。

義経は「鎌倉の兄上(頼朝)もお喜びになっているだろう」と胸を張っています。

そんな義経をニンマ~リと怪しい瞳で見つめる人物がいます。


後白河法皇


源頼朝から「日本一の大天狗(おおてんぐ)」と呼ばれるほど権謀術数の限りをつくした人物。

平清盛と組んで政権をにない、平氏が落ち目になったら源義仲を持ち上げ、その後、義仲を使い捨てて頼朝たちに義仲を討たせた人物です。

まったく油断ならないお方。

その後白河法皇が義経に近づき、可愛がります。

義経、やめとけってー!!

戦では天才的な力を発揮する義経ですが、政治の駆け引きは全く分かりません。

単純に「法皇さまにほめてもらえてる!」と有頂天の状態。

挙句の果てに頼朝が「それだけはダメ、ゼッタイ」と言っていたことが起きてしまいます。

頼朝に報告ゼロで、後白河法皇が直接、義経に検非違使左衛門小尉(けびいしさえもんのしょうじょう)という官位を授けてしまいます。

頼朝が激オコだぞ! ヤバいって義経!

これは、本当にマズいやつ! 

頼朝が構想しているのは自分が武家のトップに立ち、朝廷とやり取りをするのは自分だけで、武士たちは直接、朝廷とはつながらない体制。

武士たちが頼朝の目の届かないところで勝手に朝廷から官位を授かったりするとガバナンスが効かなくなり混乱してしまう、と考えています。

それを、実の弟・義経が破っとるやないかー!!!!

頼朝、めっちゃ怒ります。あれだけダメだって言っていたのに、勝手に官位を授かった義経に対し不信感を持ち始めます。

一方の義経は…あんまり分かってないみたい。

義経、なんで官位を受けちゃったんでしょうね。。。

この件で頼朝と義経の源氏ブラザーズにほころびが生まれはじめます。

さて、暗雲立ち込め始めちゃったブラザーズですが、源氏と平氏の戦いはまだまだ続きます。

義経、屋島に向けて出陣ッ


一ノ谷の戦いで敗れたとはいえ、まだまだ戦力を残している平氏軍。

本拠地の鎌倉から全軍を指揮する頼朝は、異母弟・範頼を総大将として平氏討伐に向かわせます。

ところが、これがなかなかうまくいかない。

長引く平氏との戦いで範頼の軍は弱っていきます。
兵糧も尽きてきて平氏はヘロヘロ状態。

このままだと、平氏に盛り返されてしまいます。
マズい。。。

頼朝は京都に残っていた義経に屋島を攻めるよう指令をだします。


義経、お前の出番だ!

法皇から勝手に官位を授かった一件で義経に不信感を持っている頼朝ですが、義経の戦の才能は認めざるを得ない。

ここは、スーパーエース義経を出すしかない!

義経、屋島にいる平氏軍を討つため出陣ッ!

あちゃー… 義経、チーム内でモメちゃいます

ヤル気満々で出撃する義経。

屋島に向けて瀬戸内海を船で渡ろうとしますが、

大嵐…

暴風で海は大荒れです…

漁師もゼッタイに船を出す状態じゃない。
ていうか、船なんか出したら間違いなく転覆するレベル

でも、

義経は

イケるっしょ!!!

平氏軍はこの嵐の中をまさか船でやってくるとは思っていないから、
今、いけば、油断している平氏軍をたたける、と思った義経。

今すぐいくぞ!

と暴風雨の中、船を出そうとします。

そんな中、ある武将が義経に提言をします。

「もし戦が劣勢になった時のことも考えて、船に逆櫓をつけてバックもできるようにしておいては?」

提言をしたのは、梶原景時(かじわらかげとき)です。

頼朝が石橋山の戦いで絶体絶命のところを救った武士ですね。

石橋山の戦いの記事はコチラ↓


つまり、梶原景時は義経に「もしもの時のことも考えたリスク回避」を提案したのです。

でも、義経の返答は


いや、そんなの、いらないから



というもの。

義経と梶原景時が険悪ムード


これには、梶原景時もカチン!ときます。

その場は何とか収まりましたが、この時から梶原景時は義経のことを嫌っていきます。

戦に関しては天才でも、味方の中にも敵をつくっちゃうタイプなんですよね、義経って…。

義経 スーパーミラクルウルトラサプライズ! 屋島の戦い

梶原景時の提言も吹っ切り、大嵐の中を船で突っ切る義経。

嵐の中、やってくる義経!

むしろ暴風のおかげで、信じられないスピードで四国に上陸します。

まさにハイリスクハイリターンの典型ッ

結果で反論をねじ伏せるタイプッ

平氏軍はまさか来ると思っていない義経軍がいきなり現れて大混乱。
総崩れとなります。

一ノ谷の戦いに続けて義経、大勝利です!

大打撃をくらった平氏軍は敗走、彦島(現在の山口県下関市)に集結します。

さぁ、ついに源平合戦もクライマックス。

平氏はどんどん追い詰めてるけれど、それと比例するような形で、義経は兄・頼朝やその配下の武士たちと溝が生まれちゃっています。。。
このあたりに人の世の切なさというか難しさみたいなものを感じます。

現代社会でもこういうようなことってあるよなー、とも思ったり。。。

さて、いよいよ!次回は、決戦「壇ノ浦の戦い」の記事となります。
記事はコチラ↓


源頼朝&源義経ブラザーズ 相関図まとめマガジンはこちら↓


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