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1日1文化財コンテンツ No.6 石山古城図
使える文化財のデジタルコンテンツを紹介。
No.6は石山古城図です。
![](https://assets.st-note.com/img/1700485963680-4n2XOKHI9g.jpg?width=1200)
https://dl.ndl.go.jp/pid/2540857/1/2
大坂城の前身である大坂本願寺にて、顕如と織田信長で繰り広げた石山合戦の布陣図を描いたものです。
史実に即したものとは言い難いのですが、石山合戦や当時の大坂の様相がうかがえる史料です。
絵図の中心の左上に「石山御堂」とありますが、それが大坂本願寺のことで、大坂城の所在地になったところでもあります。中心の右側には「四天王寺」があり、ここは大坂本願寺を攻める織田軍の本陣が置かれたところになります。
ただやや諸勢の配置がわかりずらいので、以前、トレース図を作成してみました。
![](https://assets.st-note.com/img/1700486821506-c5jTry1ciF.jpg?width=1200)
赤が本願寺勢、青が織田勢を示しています。
織田勢が本願寺勢を取り囲むように布陣している様子が描かれています。ほぼ包囲といっても過言ではないなかで、絵図の右下(南西)の木津に本願寺勢が見えます。本願寺にとって、ここが唯一、外(大阪湾)とコンタクトがとれる場所になっています。
先に述べた通り、史実を示すかどうかはあやしいのですが、こういった史料に基づき、歴史小説や大河ドラマの世界観がつくりだされるのは間違いないと思います。
過去を復元するには、史料を読み込むが必要になります。それがきちんとできている作品に触れると、よく勉強しているなと思います。
ただ、トレーズ図のように典拠がはっきりしていて、現代人にもよくわかる状態(くずし字でない等)に加工されている方が、作品創作に割く時間が増えるとともに史料に対する親しみももてますよね。
使いやすい状態に加工して、社会に提供するとりくみはがんばりたいと思います。