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広島県主催Hi! HIROSHIMA business week 2022 〜未来がつまった瀬戸内の離島へ GO! 大崎上島ツアー1 泊 2 日〜レポート【2】

前回は広島市から出発し、竹原港から大崎上島町へ入り、新エネルギー開発の現場をレポートしました。
本日は、全国でも起きている「空き家問題」の実際の活用方法、
最先端のICT教育など、島で起きている熱い改革を一気にご紹介!!
もちろん、おいしい海の幸や、島で唯一のホテルでの美しい景色もたっぷりとお届けいたします。


12:30  そろそろお腹が空いてきた!
古民家改装型 島の漁師のお店 「星と陽」でランチタイム。

今回は地元の古民家を改装し、島の漁師のお店として運営されている「星と陽」で昼食を頂きます。漁師でもあるご主人は元々は東京・築地で働かれていた職人さんで、この大崎上島町に移住された方です。
一見普通の古民家である中へ入っていくと島の漁師のお店「星と陽」の暖簾がかかっており、今風でとてもおしゃれ。

食事を待ちながら自己紹介タイム。
県内から来た方、県外から来た方、 HIROSHIMA business weekの他のイベントも回っておられる方、様々な目的と業種の方にご参加いただきました。

店主自らリフォームされた店内はどこか懐かしくも、新しいおしゃれな要素が散りばめられています。お食事はなんとも新鮮なお刺身に、ぷりぷりの西京焼、揚げたてのサクサク天ぷら、どのお料理をいただいても皆様から「うん、美味しい!!」と声が飛び交います。

■島の漁師のお店「星と陽」店舗情報はこちら
https://osakikamijima-navi.jp/archives/372


13:30  お腹も満たされ午後の部スタート!

ドライブが進むにつれて曇っていた空も明るくなってきた!

お腹が満たされたあとはスマイルバスで島を一周ドライブ。
神峰山をかすめつつ上島トンネルをくぐり、沖浦、木江、外表と島を一周していきます。

実際に通ってみると大迫力の造船所や、海の目の前に並ぶ家々、農園の様子や島の方々のお買い物スポット、島民と高校生がコラボしてペイントされた倉庫など、島の魅力が詰まっていました。

15:00 島で唯一のホテル「きのえ温泉 ホテル清風館」へチェックイン

暖かく歓迎してくださるスタッフの皆様。
ロビーに進むと目線の先には美しい島と、海が広がります。
撮影を楽しんだり、同じ広島県でも島でしか手に入らないお土産品を楽しんだりと小休憩。

「今見えている島は、実は愛媛県なんですよ」と説明を受けながら海に浮かぶ島々の美しい景色を眺めます。

オーシャンビュー広がる温泉は、日帰り温泉としても営業されており、地元の方にはお馴染みのホテルなのだそうです。

また、この日は生憎休業日で伺うことは叶いませんでしたが、
ホテルのバーのマスターも元々は帝国ホテルにて41年間腕をふるわれた後、島へ移住された方なのだそうです。
この島の様々なところで一流のサービスを受けられるようになっていくのではと感じました。

窓から夜の海をのぞいてみると、港を目指す船が明かりを灯して「風待ち 潮待ち」している姿が。船同士がきちんと横並びしており、初めて見る地元文化の光景に、何とも温かく穏やかな気持ちになりました。

■きのえ温泉 ホテル清風館
http://hotel-seifukan.co.jp/

■バーテンダー田村さん
https://setouchifinder.com/ja/detail/23369


15:00 改装中のコワーキングスペース・ミカタカフェに到着

島では民家や土地を手放したい年配の方々が若者に譲渡され、使用されなくなった古民家を新しい施設へリノベーションされるということもよく行われています。
現在は町の中心部にある元々はドラッグストアだった店舗をコワーキングスペースへと改装中ということで現場を見学させていただきました。

ドラッグストアの名残が残りつつも、中は広々としており、今後コワーキングスペースとして活躍する様子が思い浮かびます。もしかしたら今後、今回の参加者の中でも利用する方が出てくるかもしれません。

続いて、改装中のコワーキングスペースから1分程歩いたところに現れたのは
今回島を案内くださっている取釜さんが代表を努める「まなびのみなと」が運営する「ミカタカフェ」。元々パン屋で古民家であったところを、改装されたそうです。

カフェと古民家が中で繋がっており、古民家側はコミュニティスペースとなっています。
子どもたちがいつでも立ち寄ることができ、早稲田大学の建築科の学生が担当された建物の2階はおしゃれな学習スペースに改装され、窓の外からは学校の体育館から太鼓の音が響きます。

ミカタカフェの由来には「味方である」「見方を変えよう」という意味が込められているそう。このカフェで販売されている、大崎海星高校の生徒と一緒に開発されたコーヒーをいただきながら「まなびのみなと」についてお話を伺います。

まなびのみなとのメンバーにはUターン、Iターンされた方々が集まっており、この島で様々な活動をされています。
Uターン、Iターンされたきっかけや、魅力、島に住んでいた頃のお話などを伺います。

その中で衝撃だったことは、当時、島の大人からは「島には何も無いから将来は島から出て行きなさい」と言われて育ったというお話です。
その意味は親が子を思う言葉ではあったと思いますが、それは特別に言われていたわけではなく、子どもたちは大人からそう言われながら育つことが当たり前のことだったそうです。
そんな衝撃は、現在の学校教育の方針にも影響していました。

16:00「学校情報優良校」に認定!最新のICT教育を行う大崎海星高校を見学

年々、広がりを見せているパソコンやタブレット端末、インターネットなどの情報通信技術を活用した教育手法であるICT教育。
様々な可能性を秘めた教育法ではあるものの、現場では先生方がなかなか端末の使い方の習得が壁という話も聞くなかで、2022年に日本教育工学協会により「学校情報化優良校」に認定された大崎海星高校を見学しました。

案内いただいた教室で校長先生からご挨拶を頂き、ICT教育に携わられた先生方からも直接講演を伺います。
タブレットがあることで授業に具体的にどう広がりがあるのか、
生徒や先生方、授業にどう展開していったのかといった話を伺います。

大崎上島町には3校の中等教育機関がありますが、どの学校も特色のある教育方針があり、また都道府県の枠を越えた留学制度を設けることで、県外から親元を離れて入学する生徒も多いことが特徴として挙げられます。大崎上島町の人口分布を見ると15歳〜19歳が飛び抜けている理由の一つです。
県外の学生を受け入れるための寮もあり、生活の基礎を学んだり、島との関わりを持ちながら生活することができます。

■大崎上島町2020年人口ピラミッド
https://jp.gdfreak.com/public/detail/jp010050000001034431/7

更に学校では「島で働く方」をインタビューで掲載された、とてもしっかりと手の込まれた冊子が発行されており、生徒が直接働く方へインタビューをし、冊子の印刷等は学校側がサポートしているそうです。
学校の玄関口にも「働くを考える」をテーマに開催された学習発表も掲示され、先ほどのカフェでの講演で「島には何も無いから将来は島から出て行きなさい」と言われ育った大人たちが今度は生徒たちの将来に込める想いを知ることになりました。
私たち社会人でも受講したいというような最先端授業の内容に、教育関係に携わる方やご自身のお子様を「大崎海星高校に通わせたい」という感想も出ました。

■広島県立大崎海星高等学校HP
https://www.osakikaisei-h.hiroshima-c.ed.jp/

■「学校情報優良校」に認定!記事はこちら
https://manabinominato.or.jp/jouhoukaninteinews

■一般社団法人「まなびのみなと」HP
https://manabinominato.or.jp/

■「まなびのみなとメンバー、教育情報化コーディネート平岡さん」
インタビュー記事はこちら
https://manabinominato.or.jp/eduinfocordinater

17:00 伝統文化「櫂伝馬」を体験!

学校を案内いただいた後は海辺の練習場へ移動し、大崎上島伝統文化である櫂伝馬(かいでんま)を見学!
櫂伝馬は、安土桃山時代から記述が残る大崎上島の伝統文化の一つです。
女子生徒の皆さんの元気な掛け声と共に力強い櫂伝馬を見学させていただきました。

そして続いては参加者のみなさまも実際に漕いでみることに。
漕ぎ方を教わり、掛け声を掛け合うと次第に力強く動き出しました。
美しい夕方の景色のなかで生徒の皆さんは忘れられない時間をここで過ごしているのだと感じます。
また、島で開催される櫂伝馬の競争祭りでは、迫力ある白熱した競漕を見ることができるそうです。

■大崎上島の伝統文化「櫂伝馬」公式サイト
http://kaidenma.jp/

19:00  海辺の家で夜ご飯!贅沢な海の幸がいっぱいのバーベキュー会場

夕食は古民家を改装した会場に移動して、島自慢の豪華な食材が並ぶ海鮮バーベキューを開催!
採れたてのお魚をすぐお刺身にしてくださったり、立派なアワビや鯛を贅沢に網焼き、島でしか購入することができない食材もいただき舌鼓を打ちました。

またこの日はちょうど満月近くで、頭上には満月になりつつある月がぼんやりと上っており、満潮で昼間とは違った光景です。
参加者の皆様、各スタッフの皆様とお話が盛り上がり、開催した私たちも一緒に食事とお話を楽しませていただきました。

そして、日帰りコースの皆様とはここでお別れです。

再会の約束を交わし、見送りました。


いかがでしたでしょうか。
今週は島内で起きている熱い改革を一気にご紹介いたしました。
実際にリノベーションされ、活用されている空き家の活用法、
ICT教育や改革への道のり、子どもたちを想う暖かい島内の連携を見学させていただくことができました。
ただ最先端教育を進めるだけではなく、伝統文化を日頃から大切にし、
竿を垂らせば鯛が釣れ、夜になるとタコ釣りに出かける..
そんな自然も溢れる環境で育つことができるのは、理想の場所の一つだと感じました。

また、実際にUターン・Iターンされた後もなかなか考えていたような活動を起こすことができないというお話も聞く中で、一般社団法人「まなびのみなと」のような団体はとても心強い存在ではないでしょうか。

そして、「風待ち 潮待ち」文化の静かな海に囲まれながら過ごすことができ、行ってみれば思いがけず一流のバーテンダーが。そんな優しいサプライズで来る人を歓迎してくれる「きのえ温泉 ホテル清風館」。
次はバーの営業日を狙って行こう。と、また訪れることをこっそり心に決めた筆者なのでした。



次回予告
次回はいよいよ最後のレポートになります。
ツアー2日目、島で迎える朝〜「塩で財を成した」と言われる竹原市を見学した様子をお届けします。お楽しみに!

・大崎上島町は朝日も名物
・古くからの木造建築が並ぶ竹原市へ
・あとがき



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