期待されたくない

子供の頃からできるだけ「良い子ちゃん」でいた。

子供だから、親しか味方がいなかったから、「期待」に応えようと従ってきた。

でも今は、夫と二人暮らし。
戸籍上も二人。

「期待」に反抗できる環境になった。
だから最近「期待」されたくない気持ちが大きい。
良い子ちゃんでいたから、その反動なのかもしれない。

先生に怒られたくないから、宿題をやった。
親に怒られたくないから、テスト勉強を頑張った。
親に迷惑をかけたくないから卒業を頑張った。

達成感より「これで怒られない安心感」の方が大きかった。

思えば、学校って「怒られたくないから。怒られて目立ちたくないから。」出席したり宿題をやっていた。学力は暗記さえすればどうにでもなるけど、相手の顔色はどうにもならないから怖い。自分の学力なんてどうでもよかった。

大人になってからも、あれこれ期待されることが多いけど、正直期待されたくない。自分と同じ道を、みんなと同じ道を歩むんだって期待されたくない。

期待されるなら、その単元を「義務教育」に練り込んで欲しかった。そっちの方が楽。強制的だから。

もしくは「期待に応えられる遺伝子」に操作されて悩むことがないロボット的な感情を持って産まれてきたかった。

選択肢があるから苦しくなる。
他人の感情があるから苦しくなる。

期待から外れると、落ち込まれて、批判されて、私の罪悪感が重くなる。

今の夫はマザーテレサみたいな心の持ち主で、いい意味で私に全く期待しない。

「こうあるべき」という世間からの見えない期待に押しつぶされそうで、毎日人生を辞めたいと思っているけれど、夫のおかげで心の平和が保たれている。