春のカミーノ⑧ ~パンプローナからペルドン峠へ
ナバーラ名産パチャランのおかげで二日酔いにはならなかったが、久しぶりに悪夢をみた。意識の深い深いところまでブクブク沈んでいって、そこから一気に浮上してぽっかり目覚めた、そんな感じだった。
この十年くらいの間に出会った人たちが、次から次へと、これでもかというくらい出てきて、私は軽くうなされた。会いたい人も会いたくない人も、女も男もごちゃ混ぜだった。
悪夢をみるのは良い兆し。カミーノを歩いているときであれば、なおさらだ。自分ではどうしようもない、心に溜まった澱のようなものを、