自分らしく、どこまでも学び続けていくことで見える世界
こちらのニュースに対してNewsPicks上で色々なコメントが出されていますが、単純に学び方の選択肢が増えるという面だけでも、こういう取り組みには意義があると思います。
特に影響力の大きい大学が打ち出すことも、今後の波及効果を考えるととても大切だなと。
おそらく、本当の意味での融合、統合は社会に出て、様々な協働相手とともに、当事者として責任を負う経験を重ねながら進んでいくのではないかと考えます。
たった5年間とかで「完成する」みたいな思想だと、大事なことを見落としてしまうのではないかと思います。
私自身も、大学では多分野をカバーする「総合人間学部」の4期生として主専攻(創造行為論)、副専攻(物質環境論)とともに、色々な分野に触れることができました。
進路を決める時点で複数学びたいことがあって絞りきれなかったから、という理由でしたが、入学後も主専攻は三回生のときに変えましたし、他の学部の講義もいくつか潜ってみて、指導教官のOKをもらえたら単位認定してもらうこともできました。
学生時代は経済的な問題もあってバイトに追われていたし、サークル活動も楽しくて、正直、本業である学びは疎かにしてることも多かったのですが。
当時は「所詮、教養学部に毛が生えたようなものでしょ?」という声も聞こえてきましたし、実際、自分としても専門性の軸がないことで迷走しかけた時期もありました。
でも、そうやって柔軟に裾野を拡げられたことは、いまに至るキャリアのなかでは、長期的にはプラスに働いているように思います。
物事をみる視点だったり、社会との向き合い方だったり、異なる分野の異なる言語や構造に触れておくことで、多様な知見を自分なりの目的意識をもって接続しやすくなったのかもしれないな、と。
一方で、はじめから一つの領域に絞って学びを掘り下げることで、自分なりの立ち位置を定めて世の中に関わりはじめていくほうが向いている、というタイプの方もたくさんいるはず。
それも、実務に近い分野から入るほうが良いタイプとか、メタ思考側の分野を入口に置いたほうが良いタイプとか、学び方の特性も多岐に渡るのだと。
なので、どっちもあり、なんでもあり、さらに社会人になってからの行き来も含めていつでもあり、という選択肢が用意されていることが大切なのだろうな、と考えています。