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[みんなやっているから]、[昔からこうやっているから]を見直してみよう
英語コーチ・日本語教師の 永木 れいか です。
外国語を身につけたい人にとって、学びのプロセスそのものが意義ある、楽しいものであって欲しい。その先に、自由でやりたいことのできる人生が広がる。そんな想いで外国語習得のサポートをしています。
今日は仕事の取り組み方について書いてみたいと思います。
昨日は週1回の日本語学校での授業の日。その時にネパール人のSさんに聞かれたことで思い出した話。
わたしの働く日本語学校では、1つのクラスを5〜6人の先生が担当しています。だから、わたしの出勤日以外は別の先生の授業を受けています。
Sさんに聞かれました。
「どうして、永木先生は作文を赤ペンしないのですか?」
他の先生の授業では、[作文を提出させて赤ペンで訂正を入れる]という作業をしていることは知っていました。でも、わたしはその[作業]をやっていません。
作文はやってもらいます。でも、赤ペンはやりません。
もちろん完璧な作文が出来上がることはないので(日本人でも日本語で完璧な作文を書くことは難しいです)、間違いの訂正はします。
学生さんが書いた作文をスライドにして「間違い探し」をします。
この文には2つの間違いがあります。
何が間違っていますか?
どう直したらいいですか?
なかなか盛り上がります。しかも、間違いを探そうとすると日本語を分析するから、すごく勉強になる。
とても効果的なフィードバックだと考えています。
考えてみてください。
頭を絞って外国語で作文を書きました。
一生懸命知っている限りのことを使いました。
赤ペンで訂正された作文が返ってきました。
1)赤ペンで訂正されたところを見ますか?
2)見て自力で理解できると思いますか?
3)理解して自分の知識にできますか?
「わかったぞ。次は同じ間違いをしないぞ」
こんなことができるでしょうか….
少なくともネパール人のSさんは「返ってきた作文は見直したことがない」と断言していました…
作文を書かせて赤ペンで訂正する
わたしの中学校の英語の先生もやっていました。語学教育では、よくある指導方法だと思います。
ただ、この方法が効果的なフィードバックになるには、いくつもの条件が揃っている必要があります。
1)学生がやる気に溢れている
終わった宿題を見直して間違いをつぶそう、と思うには相当のやる気が必要。
2)読解力と根気がある
他人が書いた赤ペンを読み解いて、理解するのは労力と脳力が必要。
3)マトを絞った赤ペンである
いま直すべき間違いに絞らず、全ての間違いに赤を入れると学生のやる気をボキッと挫く恐れアリ。
よくある指導法だから、昔からやっているから、他の先生もやっているから、という理由で[作文を赤ペンで訂正する]作業をするのは違う。わたしは、そう考えています。
仕事をするときは、「なぜソレをするのか」を大切にしています。外国語を身につけたいと思ったら、やるべきことは山盛りなのです。「なぜ」がない作業をやっている暇はありません。学生さんの時間をムダにしてはいけない。
これは学ぶ人も同じ。巷で流行っているから、みんなやっているから、と「なぜ」がない学習方法にやみくもに手を出していませんか?