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なぜ力むとかえって力が入らないのか?
うまくいっている人ほど力が入っていないものです。
うまくいっている人ほど力があるはずなのに。
たとえば、野球の大谷翔平さんはものすごいホームランを打つけど、力が入っていません。ゴルフもそうですよね。プロゴルファーのスイングは全然力みがないけど、めっちゃ飛びます。
じゃあ、力がある人がもっと力を入れたらもっと飛ぶのかというと、そんなことはないです。かえって飛ばなくなります。
なぜ力むとかえって力が入らないのでしょうね?
これはスポーツだけに言えることではなくて、人生全般に言えると思います。人生というのは、力を抜いた方がうまくいくのかもしれません。
スキルを身につけたり、知識を得たりするのは力をつけることだけど、その力を発揮するには力を抜いた方がいい。改めて考えるとけっこう不思議です。
そう思いません?
僕だけかな?
ここまで書いていて、学習の4段階というのを思い出しました。それがヒントになるかもしれない。
学習の4段階というのは言葉通りで、何かを学ぶときに、4つの段階を経て成長していくという考え方です。
4つの段階というのは、
無意識無能
意識無能
意識有能
無意識有能
の4つです。
最初の無意識無能というのは、学習する対象があることも知らないし、能力もない状態です。野球の話しでいうと、野球そのものを知らない状態です。野球が何なのか知らなかったら、成長以前の話しですよね。まさに、無意識無能です。
野球というスポーツがあることを知り、うまくなりたいって思ったときに次の段階に進みます。意識無能というのは、ボールがポーンと飛んで来たら、パーンと打てばいいというのがわかっているけど、できない状態です。野球のことがわかってきたけど、まだ能力が全然追いついていません。
ここから、練習してうまくなってくると、次の意識有能の段階に入ります。ひとつひとつの動作を意識しながらできるようになって来た状態です。有能とはいっても意識的にやっているため、まだ動きはぎこちないです。力んでいるといってもいいかもしれません。
ここから練習してさらに上達してくると、やがて無意識で体が動くようになります。これが無意識有能の段階です。自然とボールの見極めもできて、打ちごろのボールが来たら見逃さずにパーンと打ちます。力みもなく、スムーズにバットが振れるし、その分、大きく飛ばせます。
力みがない状態というのは、無意識で体が反応する状態なんですね。無意識無能は、そもそも知らないので力みようがないですが、その後から、意識してがんばる状態が2段階続きます。この2段階が大変かもしれません。
いちいち意識しないといけないので、疲れるんですね。だけど、そこで諦めずに続けていくことで、力みが抜けて自然と能力が発揮できる状態にたどり着けます。