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短歌

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#短歌

短歌

君という他人に詩を書いてみる不在の乙女は彼氏がいるよ

しくじった、惚れちまったなその時は既に手のひら、アバンチュールさ

「古代失恋はいつも初夏だった気がする」そういうキスをする初夏

凪いでいる夏の虚構と見つめ合う君は淡水混じり気のない

気付こうよ失くせるうちに大切さ愛しさそれも世界でひとつ

あの薔薇は私が水をあげたんだ この世に二つとない薔薇なんだ

失くせるうちに愛を 失くしたあとには

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呪いあるいは呪い 短歌

呪いあるいは呪い 短歌

ノロイアルイハマジナイ

花束は今日も電車に忘れて来たよ幾度目の失恋だろね

春が来てその次来たら知り合って一年経つのにまるで一ヶ月

恋してた。ウソ、恋してる ありのまま 今起こったこと Fall in Love

命からがら逃げてきて 振り返ればまた死ぬのかな 前みたいに

薫る風 消えてしまえど 香る風 釣られて泥む 逍遥日和

相合傘。滴のついた左肩 払ってくれた小さな手を、

よくハモる

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紅藍 短歌

クレナイ

想い出をくれた貴女のせいでした 暮れない恋が始まったのは

いつだってサンクコストに生きているだから引き際見紛うなって

紅に色付く空はこれからの俺ら二人を照らす色じゃない

歴史的瞬間でしたワタクシが恋に落ちるの千年振りで

過剰なルッキズムのなか生きる私たちを抱き締めたい、撫でたい

恋をした 八月、某、月明かり 梅雨に戻った様に降る雨

溢れ出た恋の心に見返りはいらないけれど捨て

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