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【Xの悲劇】ダイイングメッセージは犯人を指摘するという文化に物申す!


【#72】20210910


人生は物語。
どうも横山黎です。


作家を目指す大学生が思ったこと、考えたことを物語っていきます。
是非、最後まで読んでいってください。

今回はエラリー・クイーンの著作『Xの悲劇』から考える「ダイイングメッセージは犯人を指摘するという文化に物申す!」というテーマで話していこうと思います。


☆本格ミステリ『Xの悲劇』

1932年に発表されたエラリー・クイーンの長編ミステリ『Xの悲劇』
ミステリを読んだことの無い人でも、
著者やタイトルの名前くらいは知っているのではないでしょうか。


ニューヨークの市街電車で、
ハーリーという株式仲買人が何者かによって殺害されます。
凶器に使われたのは、
コルクにいくつもの毒針が刺さったもの。
警察は捜査を進めていきますが、
第二、第三の事件が起きてしまうという物語です。


ちなみにですが、
タイトルの『Xの悲劇』とは何を表しているかと言うと、
第三の事件の被害者の左手の指の形がクロスしていたことに由来します。
人差し指と中指が交差して、Xの形をつくっていたんです。
いわゆるダイイングメッセージというやつです。


一連の事件の犯人は一体誰なのか。
Xの意味するものは何なのか。


驚愕の真実が、物語の最後に待っています。



☆僕がこの本を読んだ理由


僕は普段から、
「ミステリーが好き」「小説を書いてる」と
口にしてきていますが、
意外と読んでいる作品は偏っていて、
特に海外のものには手を出せずにいたんですね。
もちろん、かつてチャレンジしようと思ったことは何度もありますが、
やっぱりね、文化が違うし、
その国の言語で書かれたものを日本語に訳して、
それを読んでいるわけだから、
読んでいて入りにくいんですよね。

さらに、僕はカタカナ語にめっぽう弱い(笑)
十人も二十人も登場人物が出てくるような海外の長編小説は、
読んでる途中で、「あれこれ誰だっけ」ってなるんです。
そりゃあ、読むスピードは遅くなるし、
モチベーションは落ちる。
そんなこんなで、あんまり海外小説に手を伸ばせていなかったんですね。


そんな僕が今回なんでこの本を読もうと思ったかというと、
もちろん、
大学生になったんだしそろそろ読んでおいた方がいいよね
という謎のプレッシャーに駆られたことも理由の一つですが、
一番の理由は「ダイイングメッセージ」が扱われているからなんです。


☆「ダイイングメッセージ=犯人」の文化に物申す!


僕はかねてから疑問に思っていたことがあって、

なんでダイイングメッセージって、
犯人の名前なんだろう。

ってことです。

最後に振り絞った力を、
どうして犯人を告発するために使うのか、
疑問だったんです。

確かに、
犯人のことは憎いですよ。
めちゃくちゃ憎いけど、
人生最後のメッセージがその憎しみを晴らすために使いたいのかと訊かれたら、
少なくとも僕はノーです。



自分の家族とか大切な人に
メッセージを遺したい。

自分が本当に伝えたいことを
遺したいじゃないですか。



今回紹介した『Xの悲劇』の場合、
指でダイイングメッセージを遺した第三の被害者は、
銃殺されていて、ほぼ即死だったとされていますから、
手帳にペンで書くとか、自分の血で床に残すとか、
そういったことはできなかったんですね。

だから、撃たれる寸前に、
指を絡ませてダイイングメッセージを遺したと思うんですけど、
僕だったらね、
何も書けない状況だとしても、
自分の死を悟ったならば、
メッセージを口で言うと思います。
多分(笑)
拳銃突きつけられてそんな余裕ないかもしれないけど、
僅かでも余裕があったなら、多分そうします。
……自信なくなってきた(笑)



ともかくね、
ダイイングメッセージ=犯人の名前
という方程式には違和感がありますよね。



でね、

それをただわめいているだけだったらどうしようもないやつですから、

その課題と真摯に向き合った作品を書いてやろうと思いまして、

現在、絶賛執筆中です。



タイトルはシンプルに『メッセージ』



以前から共同制作という形で、いろんな人の意見を聞きながら創作していました。
ついに、先日、第一章の第一稿を公開したので、
是非、ご覧になってみてください。
そして、ツッコミどころあると思いますので、
意見や感想、質問など、コメント欄に残していってくれると嬉しいです。

興味を持たれた方は、是非、下の記事をご覧になってください。




それで話は戻りますが、
ダイイングメッセージの話を書くんだったら、
これまでにどんなダイイングメッセージの話が綴られてきたのか、
知っておいた方がいいよなあと思いまして、
『Xの悲劇』を読みました。


終盤の論理展開には圧倒的な面白さがあったので、
そのへんも勉強になりました。


まあまあ長い作品ではありますが、
時間にゆとりのあるときに少しずつ読み進めていくのがおすすめです。


これからも、
ダイイングメッセージを扱った作品は読んでいこうと思いますので、
何かおすすめがありましたら、
是非教えてください。


ということで最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
横山黎でした。


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