1回だけ多く、諦めなかった。
――それでも、僕はあきらめきれませんでした。見たい景色があるからです。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「1回だけ多く、諦めなかった。」というテーマで話していこうと思います。
🏨またひとつ、諦めた。
本を出したり、イベントをやったり、自分の興味を持ったことに飛びついて生きていると、まわりから評価されることも少なくありません。好きなことだけでは生きていけないし、できそうにないことはひとつずつ仕舞っていくのが大人になるということだと暗に教育されてきたんだから、自然な現象なのかもしれません。
ただ、僕からしたらそれは全て過大評価だと捉えています。自分はまだまだ一人前ではないし、できないことを数える方が多いくらいの日々。好きで始めたことですら諦めそうになる瞬間に襲われることは幾度となくありました。立ち戻せなくてそのまま諦めてしまうことだって何度もあったんです。
僕は今、泊まれる謎解き『花火の幽霊~木の家ゲストハウスからの脱出~』というイベントの準備を進めています。僕の職場である木の家ゲストハウスを舞台に「謎解き体験」と「物語体験」を味わえるコンテンツです。
まだまだ青い僕らは、自分たちでやるしかありません。限られた時間、限られた手札のなかで最大限できることをひとつずつ試しているような、そんな状況です。
先日、このイベントに関して、ひとつ大きな決断をしなければいけない機会に遭いました。元々、2回公演のつもりだったんですが、準備不足のせいで最初の1回を取りやめることにしたんです。
🏨諦める、諦めない。
シナリオの執筆も、テーマソングの作詞も、イベントの運営も、広報も、キャストも、全部僕が担当しているんですが、少し手を広げ過ぎたのかなと今ではちょっぴり後悔しています。ただ、やると決めたから、ここまでやり続けてきました。
仕事の前後に、休日に、暇さえあれば「花火の幽霊」のことを考えてきました。「この演出の方が心が動くな」とか「テーマソングの歌詞はこっちの方がいいな」とか「どのタイミングで情報をリリースしようかな」とか、挙げたらきりがありません。
シナリオを書く手が止まる度に諦めそうになったし、かくいう今だってもう全部終わりにしてしまいたいと投げ出したくなる気持ちがふと顔を出します。
それでも、僕はあきらめきれませんでした。
見たい景色があるからです。
🏨1回だけ多く、諦めなかった。
諦めそうになっても、見たい景色があるから諦めずに続けて、それを繰り返してきた過去が、僕にはあります。そればっかりでした。
大学3年生のとき、初書籍『Message』を出版しました。Amazonのサービスを使って出版したんですが、本を出したところでまだ無名の大学生作家の本なんて誰も見つけられないし、買わない。
諦めそうになりました。
でも、諦めませんでした。
僕は自分で届けることを続けました。ひたすら人に会って、手売りすることにしたんです。大学の友達にも、小中高の旧友にも、お世話になった先生にも会いにいきました。イベントに足繁く参加したり、飲みの席でマスターに売ったり。そんなことを繰り返してきました。
諦めなかったから、こんな景色がありました。
大学4年生のとき、「BOOK TALK LIVE ”桃太郎”」というイベントを企画しました。僕の卒業研究の題材でもある「桃太郎」について語るトークイベントです。あのときも自分でいろいろ役を担って動いていました。そもそも「桃太郎」の話に興味を持って参加してくれる人がいるんだろうか。1週間後本番なのに話す内容が全然まとまっていないけど間に合うのか。
諦めそうになりました。
でも、諦めませんでした。
僕の理念に共感してくれた5人のスタッフが当日、お客さんたちを笑顔で迎え入れてくれました。お客さんのなかに小学生がいて、とてもよく反応してくれて、会場が盛り上がりました。47人の近くのお客さんに恵まれ、17人のプチスポンサーに恵まれました。
諦めなかったから、こんな景色がありました。
こういう経験を、僕はこれまでしてきたんです。諦めそうになっても、諦めずに続けたその先で、自分が見たい景色が待っていることを、僕は知っているんです。
今回の謎解きイベントもきっと同じ。何度も諦めそうになったけど、なんなら2回の内最初の公演は諦めたけれど、それでもこのイベントを諦めずに向き合ったその先で、僕の瞳にはえもいわれぬ美しい景色が待っているはずです。
最後に、ざらめの『+1』という楽曲の歌詞を贈ります。夢の叶え方なんて突き詰めていけば1通り。「あきらめずにやり続けること」なんだと思います。そんなことを思う、今日この頃です。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20240911 横山黎
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