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汀の生まれた日
――寄せては返す波のように人が立ち寄り立ち去っていき、波紋が広がるようにゆっくりと縁の輪が広がっていく。そんな場所が、昨日、生まれました。
人生は物語。
どうも横山黎です。
作家として本を書いたり、木の家ゲストハウスのマネージャーをしたり、「Dream Dream Dream」という番組でラジオパーソナリティーとして活動したりしています。
今回は「渚が生まれた日」というテーマで話していこうと思います。
📚シェアベース「migiwa」オープン!
昨日、6月16日、シェアベース「migiwa」のオープニングパーティーが開かれました。茨城県水戸市上水戸に生まれた場所で、私設図書館、コワーキングスペース、イベントスペースといった機能を兼ね備えています。
運営の板谷隼さんは元々診療所だった場所をつくりなおすことで、「migiwa」をつくることを夢見ました。クラウドファンディングを実施して200万円を集め、内装費に充て、この1カ月急ピッチでDIYを行い、どうにかして昨日のオープニングパーティーを迎えられるように準備していったんです。
完全に準備しきれたわけではないけれど、最低限の設備は整い、昨日無事にオープニングパーティーが開かれました。たくさんの人がお祝いに駆けつけました。推し本を語るコーナー、ロゴデザイン談義、ピザパーティー、からあげ会、オーナー宮田さんのインド放浪記など、イベントが目白押しで賑わっていました。
僕も昼下がりと夜更け頃にお伺いしたんですが、運営の板谷隼さんの思惑の通り、「汀のような場」が生まれたのではないかと捉えました。
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📚汀、学びと回復
僕が「migiwa」の話を聞いたのは、去年の夏頃だった気がします。
隼さんは「はちとご」というシェアハウスの管理人でもあるんです。家屋の一部を地域に開放する「住み開き」という活動をしていて、住人だけでなく日々いろんな人が家にやってきていました。
かくいう僕も、大学4年生になってから足繁く通っていて、大学の授業に行く前に立ち寄ったり、バイト終わりにふらっと立ち寄ったりしていました。
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はちとごの物件は2年契約で、去年の秋ごろに更新をしないといけなくなったんですが、そのタイミングで引っ越しをしよう、さらに、家とみんながくる場所を分けようと隼さんは決めたんです。
その「みんながくる場所」の名前が「migiwa」でした。クラウドファンディングのページのなかで、隼さんはその由来を述べています。
シェアベースmigiwaは、汀(みぎわ:水際や波打ち際)のように、この場に人やモノや情報、新しいアイデアが流れつき、それが交わるような場所になればと思って名づけました。
水辺と陸の境目には、波が寄せたり返したり、潮が満ちたり引いたりと流れがあります。その流動性の中で、ここを訪れる人に学びや回復のきっかけが生まれればいいなと思っています。
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📚汀の生まれた日
汀の捉え方、そしてそれを場の名前につけるセンスに、すごく共感するし敬意を表しています。それは、「はちとご」もそう。
はちとごは、「八」と「伍」。末広がりの八と、仲間の単位を表す伍。家族や大学の拡張を目指し、それぞれが仲間とつながれる場所になったらいいな、そんな思いが込められているんです。響きも丸いものだし、他に検索がひっかからない唯一無二の言葉だし、込められた意味も思いも深みがあるんですよね。
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――人が能動的になっている姿を見るのが好き。
――小さい「やりたい」ほど、ちゃんと拾える場。
――見たい景色なので、僕が写真の中に入ってなくていい。
――元気じゃないと来れない場所にはしたくない。だから、ロゴもそういうイメージを持たせたい。
これまで隼さんの言葉はたくさん聴いてきました。そこから場づくりやファシリテーションへの思いをみつめてきました。その全てが効力を発揮したのが、シェアベース「migiwa」であり、昨日のオープニングパーティーだったんじゃないかな。
寄せては返す波のように人が立ち寄り立ち去っていき、波紋が広がるようにゆっくりと縁の輪が広がっていく。そんな場所が、昨日、生まれました。
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僕はこれからもお邪魔するし、案内人として運営に関わらせてもらうつもりです。そして、僕もいつかそういう場所をつくれたらいいな。もちろん、隼さんとは針の向く方向の違うコンパスを持っているけれど、たくさんのことを吸収して、自分の場所を、場をつくってみたい。そんなことも思った一日でした。
これを読んでいるあなたにも是非いつか立ち寄ってほしい場所です。そのときは、僕が案内します。シェベース「migiwa」でお待ちしております。最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20240617 横山黎