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あなたの人生に夜明けを。

――もし彼の人生が変わったとしたら、そしていつかの未来で彼が自分の人生を僕に語りにきてくれたら、僕の働きかけがきっかけのかけらだと言ってくれたら、それはどんなに幸せなことか。


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。

今回は「あなたの人生に夜明けを。」というテーマで話していこうと思います。



📚後輩からの人生相談

気が付けば大学4年生になって、必死で今を生きていても未来を見つめなければいけない季節になって、僕は自分の人生で何をしたいのだろう、何をしていくべきなんだろうと考える機会が増えてきました。

思考し続けることはやっぱり大切なことで、最近はぼんやりとその答えが分かってきました。

結論からいえば、「誰かの人生に夜明けを連れてくること」です。



昨日、バイト先の後輩と人生について話す機会がありました。諸事情あって休憩時間が長くあったので、今高校2年生の彼と語り合っていたんです。大学に行って友達と遊びたい、いろんな経験をして自分のやりたいことを見つけたいという思いがある反面、費用や家族のことを考えると生半可な気持ちで大学に行くことはできない。しかし、このまま就職することにも抵抗がある……といった具合です。

普段は少しおちゃらけている後輩が真剣に語る様子を見て、これはしっかりと受け止めなきゃいけないと思いました。真剣に耳を傾け、自分が伝えられることを伝えていました。

そこで引用したのは、自分の人生です。

僕は大学受験のとき、第一志望校の二次試験の試験日を間違えるという失態を犯したことがあります。その結果、18年暮らしていた東京を離れ、茨城の地にやってきたわけです。当初は落胆していたし、漠然とした不安を抱えていましたが、今となってはこの道で正解だったと思えるくらい、自分の現在地を受け入れています。

大学でステキな出逢いに恵まれたし、初書籍『Message』を出版することができたし、それを200冊以上届けることができたし、新聞にも載って、ラジオにも出て、はちとご(シェアハウス)という新しい居場所を見つけることもできました。

あの頃想像もしていなかった未来に、僕は今立っている。あのとき試験日を間違えていなければ辿り着いていなかったわけですから、結局、人生とは今の自分が過去をどう受け止めるか次第だってことを知りました。



そんなことを簡単に後輩に伝えたんです。やりたいことが見つかってない人にとっては、きっとやりたいことが見つかるまで探し続けることが必要なので、失敗するかもとか迷惑かけるかもとか、そういった懸念を一旦横に置いておいて、自分の心のコンパスに従った方が良いんですよね。

僕のメッセージに、後輩は「さすがに響きました」と一言。もちろん昨日の僕との時間が彼の人生を変えるわけではないけれど、そのきっかけのかけらにでもなれば良いなと思います。

それと同時に、「もし彼の人生が変わったとしたら、そしていつかの未来で彼が自分の人生を僕に語りにきてくれたら、僕の働きかけがきっかけのかけらだと言ってくれたら、それはどんなに幸せなことか」とも思ったのです。


📚僕の創作の目的

僕は作家ではありますが、小説に限らず「創る」ことが好きな人です。絵だって、音楽だって、動画だって、プレゼンだって、イベントだっていい。そのとき自分が面白いと思って、創りたいものを創りたいように創る。それがこれまでの僕でした。

その姿勢に大きな変化はありませんが、今ではその目的を意識するようになりました。「自分の創ったもので、誰かの心を動かしたい」、そんな祈りを込めながら創作に向き合うようになったのです。



小説『Message』は成人式の物語。僕の20年分の人生をベースにしているので、とっても個人的な物語です。ただ、『Message』を届けていくなかで、「面白い」「感動した」という声の他に、「自分も成人式のときに何かやろうと思った」や「夢を抱きました」といった声も頂いたんです。

その場限りではなく、その人の未来を変えるきっかけのかけらになった。それを知ったとき、僕は『Message』を書いて良かったと思ったし、この瞬間こそ至福のときだと思ったのです。

子どもの頃からずっと続けてきた創作の目的は、僕の作品を受け取ってくれた人の心を動かし、その人にとってより良い未来への一歩を踏み出すきっかけをつくることだと分かったのです。


📚あなたの人生に夜明けを

さっき触れたように、昨日後輩から相談を受けましたが、僕は時々カウンセラーになります。どうやら僕は相談するにはちょうどいい人らしくて、ずいぶん前から誰かの相談に乗ってきました。それもかなり重めの相談が多くって、僕の両腕じゃ抱えきれないくらいの重さの荷物を見せてくれる人も少なくありませんでした。

一緒に運ぶことはできなくても、話を聴くことで少しでも心を軽くすることができればいいなと思い、毎回傾聴しています。真剣に向き合えば向き合うほどエネルギーを消費しますが、それでも僕は断りたくないんですよね。

そこにはいろんな理由がありますが、いつも根底にあったのは、「その人の人生に夜明けを連れてきたい」という願いだったんだと思います。話を聴くことで、あるいは別の働きかけをすることで、その人を覆う夜を明かすことが、僕にとっても幸せのときであると潜在的に認識していたんだと思います。



僕の名前は、横山黎。

「黎」とは、「黎明」の「黎」です。「黎明」とは「夜明け」を意味します。「夜明けのように物事のはじまりを大切にする人であったほしい」という願いから、父親がつけてくれました。僕はそこに、自分の名前に、新たな意味付けをしたいと思います。


「誰かの人生に夜明けを連れてくる人になる」


誰かの相談に乗ることも、あらゆる創作に向き合うことも、全てそこに収束していきます。生まれた意味とか、生きていく理由とか、そこに絶対的な答えは見つからないし、生きる人の数だけ正解はあると思いますが、とりあえず現時点での僕の答えは「誰かの人生に夜明けを連れてくること」に落ち着きました。

これからはよりいっそう目的意識をしっかり持って、たくさんの夜明けをつくりにいきます。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

20231010 横山黎



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