【文学フリマ】確立された世界観は満足度を高める
――やっぱり世界観が確立していると、その場所にいるだけでコンテンツになるから、満足度が高くなるんですよね。ちゃんと世界観をつくることって大切だなあと再認識しました。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「確立された世界観は満足度を高める」というテーマで話していこうと思います。
◆駄菓子バーに行ってきた
昨日、高校の同級生と新宿にある駄菓子バーに行ってきました。駄菓子が食べ放題のバーです。普通にお酒も提供していますし、給食のときに出たような揚げパンがメニューにあったりして、童心をくすぐられました。
店内のインテリアも最高でした。昔懐かしのレトロな雰囲気がたまりません。ポストや暖簾、提灯や寂びれたベンチなど、店にあるものすべてに趣がありました。駄菓子バーの世界観を形作っていたのです。
これで店内に流れる曲がKpopとか最近のJpopとかだったら邪魔になっていたけど、ちゃんと懐メロでした。僕にド刺さりのラインナップでした。
1人3000円でコース料理とアルコール飲み放題と駄菓子食べ放題でしたが、僕的には異空間を楽しむという体験にもお金を払った気分でしたから、安いものだと思いました。
やっぱり世界観が確立していると、その場所にいるだけでコンテンツになるから、満足度が高くなるんですよね。ちゃんと世界観をつくることって大切だなあと再認識しました。
◆文フリで世界観にこだわる理由
11月20日(日)に開催される文学フリマ東京35に、僕は出品者として参加します。もう間近に迫ってきましたが、最後の最後まで準備に時間を使っています。
準備を進める中で僕が特に意識しているのは、「世界観」です。
それでは、どうして世界観にこだわっているのか、簡単に整理していきますね。
5月に開催された前回の文学フリマ東京に、僕はお客さんとして参加しました。文学フリマに参加すること自体、それが初めてのことで、ワクワクしながら会場に訪れたんです。
もちろんいろんな本に出逢いたいという気持ちもありましたが、一番の目的は僕が出店する際に気を付けることは何かを把握することです。お客さんとして参加することで、何をやったらお客さんは興味を持ってくれて、何をやったら満足度が下がるのかを理解しておきたかったのです。
フリマといえどサービス業に変わりはありませんから、お客さんのことを考えないと売れないし、それどころか立ち止まってすらくれません。お客さんの気持ちを理解するためには、お客さんとして参加することが一番です。
案の定、いろんな学びがありました。
高さを追求した方が気を惹けるなあとか、ただ黙って座っているだけじゃお客さんは立ち止まってくれないなあとか、いろいろあったんですが、その1つに「ブースのレイアウトをしっかりと追求した方がいい」という収穫がありました。
テーブルクロスの色や、出品者の服装、卓上の装飾など、ブースに1つの世界観が生まれていると、僕は思わず立ち止まってしまったんですね。それが売りに出されている本に寄り添っていると、購買意欲も高まりました。
一見したときの統一感。
そして、その雰囲気に寄り添う商品。
僕が出品者として参加するときは、ちゃんと世界観を追求しようと思ったのです。
世界観を追求することは、他のブースとの差別化をはかることにもつながります。東京会場ともなると、ブースの数は1000を超えることも。お客さんは全てのブースに立ち止まってくれるわけではありませんから、是が非でも興味を持ってもらう必要があるわけです。興味を持ってもらわないと、そもそも買う、買わないの話にいきませんからね。
以上のような理由から、文学フリマでは世界観を追求した方が絶対に良いという結論にいたったわけです。
それでは、僕が当日どのようなブースを設営するのか、どのような世界観をつくりあげるのか、最後に共有しておきますね。
◆「110」の世界観
以前にも共有しましたが、僕のブースのレイアウトはこんな感じです。
黒で統一して、「110」のロゴだけ赤にするつもりです。
どうして全体的に黒を押し出そうかと思ったかっていうと、僕のブースのカテゴリーがミステリーであるからです。
僕が今回メインで売っていくのは、小説『Message』という作品。成人の日の夜に亡くなった青年が遺した、「110」というダイイングメッセージの謎を解くヒューマンミステリーです。
作品に寄り添ったブースにするのなら、成人式を思わせるような雰囲気をつくるべきだなと思いました。でも、僕はそれをやめて、ミステリーの世界観にしようと決めたのです。
文学フリマのブースの位置は、ジャンルごとに決められます。ここは詩のゾーン、ここは実用書のゾーン、みたいな感じです。僕はミステリーで申請したので、ミステリーのゾーンに配置されたわけです。
ミステリーのゾーンに来て興味を持って商品を買ってくれる人は、相対的にミステリー好きが多くなるわけですから、僕はミステリアスな世界観を追求するべきだなと考えたのです。
僕にはちょうどいい武器がありました。「110」というダイイングメッセージです。
分かりやすくて謎めいたフックがあったので、それを全面的に出していこうと思い、黒字に赤い字で「110」を施したウォールバナーをつくったり、名刺をつくったり、準備を進めてきたんです。
世界観を追求して当日どんな結果が出るか分かりませんが、きっと来場者のほとんどが僕のブースに興味を持ってくれるはずです。なんてたってこっちには2m40cmのウォールバナーがありますから!(笑)
入り口に入った瞬間に「何あれ」と思うはずです。真っ黒な布に、赤い字でおどろおどろしく「110」。きっと誘われることでしょう、多分。
文学フリマまでもう少し。ぎりぎりまで準備を進めていきます。世界観をつくりにいきます。最後まで読んで下さりありがとうございました。
20221118 横山黎