【文フリ東京36】様々なイベントで本を売ってきて分かったこと。
――様々なイベントで本を手売りしてきて分かったことは、「人は絆にお金を払う」ということです。
人生は物語。
どうも横山黎です。
今回は「様々なイベントで自分の本を売ってきて分かったこと。」というテーマで話していこうと思います。
📚文フリ東京36に参加した!
昨日、文学フリマ東京36に出店者として参加してきました。コロナによって塞ぎ込まれていた衝動が爆発したのでしょうか、出店者を含め参加者の数が1万を超え、過去最高を記録したそうです。
年々規模が拡大している文学フリマは、本好きの人からしたら一大イベントといえます。今回は開場から盛り上がり方がすごかったんです。弾けるように、人が雪崩れてきました。
過去最高の来場者数だったとはいえ、それがイコール自分の本がたくさん売れるわけではありません。
今回僕が出品したのは、最新作のうた集『夜明けのうた』と、既刊の小説『Message』の2種類ですが、売れたのはあわせて9冊。この前参加した広島では14冊売れたから、規模が大きいから売れるわけではないことが分かります。
来場者数で比較すれば一目瞭然ですよね。文学フリマ広島では、集まって数百人。東京会場の数分の一です。しかし、より多く売れたのは広島。ちなみに文フリ京都にも参加したんですが、東京よりも規模は小さいですが今回と同じくらい売れました。
したがって、僕の肌感にはなりますが、「規模が小さい方が売れる」という考えに至りました。
📚様々なイベントに参加してきた
僕は21歳を、小説『Message』を届ける一年にしようと決めました。
小説『Message』とは成人の日を舞台にしたヒューマンミステリー。「110」というダイイングメッセージの謎を解き明かしていきます。あんまり「感動の1冊です!」と紹介したくないんですが、「泣いた」と感想をくれる人が少なくないので、感動の1冊です!(笑)
Amazonで出版したんですが、だからといって本が売れるわけでありません。まだ無名の作家の本に興味を持つ人なんてそうそういないんです。
だからこそ、僕は届けることから逃げてはいけないなと思い、この一年、届け続けてきました。一発逆転の魔法なんてありません。僕が始めたのは、手売り。地道な届け方でした。
大学の友達、小中高の旧友、お世話になった先生、飲みの席で知り合った人……気が付けば、今日で199冊。自分が動いていなかったら、ゼロに等しかったと思うと恐ろしいですね。
さて、手売りといえど、いろんな機会があります。中には、先に触れたように文学フリマなどのイベントに参加して手売りすることも少なくありません。文フリの他にも、大学のイベントや僕の知り合いのイベントに頻繁に顔を出すようにしました。
僕が大学生作家であることを知ると、結構な確率で面白がって本を買ってくれるんです。中には応援の気持ちも込めて複数冊買ってくれる人もいました。
様々なイベントで本を手売りしてきて分かったことは、「人は絆にお金を払う」ということです。
📚人は絆にお金を払う
今日、大学近くで開催されたマルシェ&フリマに出店してきたんです。文フリの翌日に別のフリマに出店するという謎のスケジュールでした(笑)
今日のフリマでも、昨日の文フリと同じように『Message』と『夜明けのうた』を販売したんですが、売れた冊数はあわせて6冊。
僕がフリマにかけた時間は3時間くらいです。そして基本的には出店者の人と話していました。フリマの規模も文フリより小さいし、時間もそんなにかけていないのに6冊も売れたんですよね。
で、今回特に注目したいのが、そのうちの半分を買ってくれたのは、既に知り合っていた人です。どの人も3回以上は会っています。その人たちが、今回、本を買ってくれたんです。
初回から、僕が大学生作家であることを知ってくれていました。はじめは買おうとは思わなかったけれど、何回か会ううちに、少なからず僕と相手との間に絆が生まれて、今日の手売りに至ったわけです。
何回も目にすることで好感を持つようになることをザイオンス効果といったりしますが、今日は特にそれを実感しました。
本って、あんまり買おうって思わないじゃないですか。短時間で面白いかどうかが分からない(値段に見合った商品かどうかが分からない)ので、購買するまでに何度も迷うことになると思うんです。何を隠そう、僕自身そうですから。
本に対する商品として信頼って感じにくいんですよね。
でも、その本を書いた人に信頼を見出せば、購入に至るケースは珍しくありません。この作家さんだから最新作を買う、という購買の流れは自然なことです。きっとそれは極論本の良し悪しはあんまり関係なくて、人に依存した流れです。
絆とは信頼の上に成り立っているものですから、絆をつくることで、自分の本を届けやすくなる。1年近く手売りしてきて得た学びです。
その証拠に、僕がこの前開催した「BOOK TALK LIVE “Message”」では、小説『Message』を買っていない方全員に届けることができました。小説『Message』にまつわるエピソードを1時間くらい物語って、講演後に物販したんですが、15冊売れたんです。
30人のお客さんに対して15冊です。この記事で紹介したどんなイベントよりも小規模なものですが、一番結果を出したのは僕自身で開催したイベントだったんです。
僕の知り合いや小説『Message』に興味を持った人が来てくれた場所、僕に依存した空間だったんです。それまでに築き上げた絆がお金に変わった瞬間でした。
思えば、規模の小さい文フリの方が売れる冊数が増えるのは、お客さんと話す時間が増えるからかもしれません。立ち止まってくれたお客さんとコミュニケーションを取って、届ける。短い時間ではありますが、絆をつくったからこそ届けられたと考えられるのです。
初めましての人に本を売るなんてこと、なかなか難しいことなんだから、とりあえずいろんな人と出逢って、イベントや企画に参加して、何回も会って、絆をつくってから届けることが良いよね、という話でした。
手売りの冊数も、もうすぐ200冊を超えます。まだまだ届けにいきます。興味を持たれた方は、是非コメントしてくださいね。できる限り、自分の足で届けにいきますので! 最後まで読んで下さり、ありがとうございました。
20230522 横山黎