【歴史】「疾風に勁草(けいそう)を知る」とは?【後漢書・王覇伝】
「疾風勁草」
「疾風に勁草を知る」という言葉は、試練や困難に直面した際に、その人の意志の強さや人間としての価値が初めて明らかになるということわざです。
「疾風」とは、激しい風を表し、「勁草」とは、激しい環境に耐える強い草のことを指します。
つまり、強い風が吹いた時に初めて、本当に強い草が分かるという意味です。
この言葉の由来は、劉秀(後漢の光武帝)が初めて義兵を挙げた際の故事からきています。
旗色が悪くなっていく中、最後まで帝に付き従ったのは王覇だけでした。
その時、帝が王覇に向かって「疾風に勁草を知る」と言ったことから、この言葉が広まりました。
英語にも似たようなことわざがあり、「In a calm sea every man is a pilot.」といいます。
「静かな海では誰でも舵手だ」という意味で、簡単な状況では人間の真価が見えない、と言われています。
今回の出来事で、光武帝が、部下たちの本当の人間性を初めて知ったので、まさに「疾風に勁草を知る」状況であったと言えます。