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【読み切りラノベ】ひだまりカフェと恋のタルト
春風のように柔らかく、太陽のように温かい。そんな優しい笑顔を持つ女の子、小春(こはる)は、中学2年生。いつもニコニコしていて、誰にでも好かれる性格の彼女は、クラスの人気者だった。
ある日、小春は、クラスの新人、夏樹(なつき)くんに一目惚れしてしまう。夏樹くんは、クールでミステリアスな雰囲気を漂わせ、小春は彼のことが気になって気になって仕方がなかった。
しかし、夏樹くんは、小春に全く興味を示さず、小春は落ち込んでしまう。それでも、小春は諦めずに、夏樹くんに近づこうと努力する。
そんなある日、小春は、夏樹くんが一人でいるところを見かける。小春は、勇気を振り絞って、夏樹くんに話しかける。
「こんにちは、夏樹くん。いつも見てます。かっこいいです」
夏樹くんは、小春の言葉に少し驚いた表情を見せたが、すぐに笑顔で答えた。
「ありがとう。小春さんも可愛いね」
小春の心は、夏樹くんの一言でドキドキし始めた。
それから、小春と夏樹くんは、少しずつ話すようになっていった。夏樹くんは、最初はクールな態度を取っていたが、次第に小春に心を開いていく。
小春は、夏樹くんと話すことが楽しくて、毎日が楽しみだった。夏樹くんも、小春と話すことが楽しくて、自然と笑顔になっていた。
ある日、夏樹くんは、小春に告白した。
「小春、好きだ」
小春の心は、喜びでいっぱいになった。
「私も、夏樹くんが好きです」
二人の恋は、こうして始まった。
付き合い始めて初めての週末、小春と夏樹は待ちに待ったデートに出かけた。
「どこに行きたい?」
夏樹が優しく尋ねると、小春は少し照れながら答えた。
「夏樹くんと一緒ならどこでも楽しいけど…、もしよかったら、この間オープンしたばかりのカフェに行ってみたいなぁ」
「いいね、行こう」
二人は手をつないで、目的のカフェへと向かった。
カフェは、木の温もりを感じる落ち着いた雰囲気で、窓際の席からは公園の緑が一望できた。小春は、夏樹と隣り合って座り、メニューを見ながら楽しそうに話した。
「私、ここのイチゴのタルトがずっと気になってたんだ」
「じゃあ、それを半分こしようか」
夏樹が提案すると、小春は嬉しそうに頷いた。
タルトは、甘酸っぱいイチゴと濃厚なクリームが絶妙にマッチしていて、二人は顔を見合わせて微笑んだ。
カフェを出た後、二人は公園を散歩することにした。色とりどりの花が咲き乱れ、子供たちが楽しそうに遊ぶ姿が微笑ましい。
「ねえ、あっちに綺麗なバラが咲いてるよ。見に行こうよ」
小春が指差す方へ歩いていくと、そこには赤やピンク、黄色など、様々な色のバラが咲き誇っていた。
「わあ、綺麗…」
小春が目を輝かせていると、夏樹はそっと赤いバラを一本摘み取り、小春の髪飾りに挿した。
「似合うよ」
夏樹の言葉に、小春は頬を赤らめた。
夕方になり、二人は公園のベンチに腰を下ろして、今日一日を振り返った。
「今日、すごく楽しかった。ありがとう、夏樹くん」
「俺もだよ。小春といると、時間が経つのがあっという間だ」
二人は見つめ合い、自然と手が伸びて、そっとキスをした。夕焼け空が、二人の頬を赤く染めた。
「また、デートしようね」
「うん、絶対」
二人は笑顔で手を繋ぎ、家路についた。